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「日本兵の遺体が山積みに」…ロシアの“英雄”となった99歳の元ソ連兵“満州の惨状を証言”―ウクライナ侵攻への憤り #戦争の記憶

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「軍事侵攻には反対」 英雄として生きてきた元ソ連兵の憤り

モスクワ市内で開かれたフォーラムで演説するプーチン大統領(ロシア大統領府HPより、2025年7月)

モスクワ市内で開かれたフォーラムで演説するプーチン大統領(ロシア大統領府HPより、2025年7月)

 2025年7月、プーチン大統領はモスクワ市内のフォーラムで、ウクライナ侵攻の正当性を訴えた。


 「『すべては勝利のために!』。これは"大祖国戦争"の初期に掲げられた歴史的な呼びかけだ。今もなお、自由と正義を守る戦いの象徴だ」

 ロシア政府によると、第2次大戦のソ連の犠牲者は、兵士と民間人合わせて約2660万人に上った。プーチン大統領は繰り返しドイツ戦の勝利を美化し、国民の結束を促そうとしている。

2024年の戦勝記念式典に招かれプーチン大統領(手前)と会話したトリンコフさん(右から2人目)

2024年の戦勝記念式典に招かれプーチン大統領(手前)と会話したトリンコフさん(右から2人目)

 戦火を生き抜いたトリンコフさんも複数の勲章を授与され、「英雄」として称えられてきた。


 毎年5月に行われるドイツ戦勝利を祝う盛大な軍事パレードでは、プーチン大統領と一緒に観覧したこともある。

 「これはわたしの誇りです」。そのときの写真を差し、うれしそうに話すトリンコフさん。だが、トリンコフさんはウクライナへの侵攻には反対の立場を示している。

 「愚かな選択をしたと思いました。私は、軍事侵攻には反対です」

 満州侵攻の際、部隊にいたウクライナ出身の兵士が父のような存在だったからだけではない。息子の嫁も同じ国の出身だ。戦闘が激化し、ロシア軍が支配地域を拡大しているとする東部地域の生まれだ。

 「これまで友好国だったのに突然、敵国になったのです。非常に驚きましたし、強い憤りを感じました」

 仕事や旅行で何度も足を運んできた隣国との戦争に胸が痛む。

戦争と無縁の市民 分かれる侵攻の賛否

モスクワ中心部の赤の広場。イベントが開かれ、午後8時30分を過ぎてもなお大勢の人でにぎわう(2025年6月)

モスクワ中心部の赤の広場。イベントが開かれ、午後8時30分を過ぎてもなお大勢の人でにぎわう(2025年6月)

 侵攻開始からまもなく3年半。首都モスクワは幾度かドローン攻撃を受けたが、当局によるSNSの接続遮断などの情報統制もあってか、街は戦時下とは思えないほどに“普通”の光景が広がっている。


白夜に近い夏の空は午後10時を過ぎても明るく、メインストリートに軒を連ねる飲食店では、人々がグラスを傾け談笑するなど陽気に包まれていた。

「友人が契約兵として戦地にいるが自分は行くつもりはない」と話す男性

「友人が契約兵として戦地にいるが自分は行くつもりはない」と話す男性

 市民に侵攻の賛否をたずねた。


 「私は愛国者です。もちろん特別軍事作戦を支持しています」(21歳の男性会社員)

 「モスクワにいると、テレビをつけない限り戦争している実感はありません。でもロシアとウクライナの両方でたくさんの人が亡くなっているのは本当に悲しい。早く終わってほしいです」(52歳の女性会社員)

 他人ごとのように語る人も多いが、深刻な影響を語る人もいる。

 「以前はモスクワの日系企業に勤めていましたが、侵攻を機に企業は撤退し職を失いました。家計は厳しくなっています」(33歳の主婦)


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