いまだ1人も遺骨が見つからない“アイヌ兵”を「故郷に返したい」…20歳の大学生が遺族探しの旅で感じた失意と覚悟 #戦争の記憶
編集後記
沖縄の遺骨収集を初めて取材したのは6年前。以来、浜田さんご夫妻にお世話になり、現地で何度も取材させていただいた。
5年前には、ほぼ完全な形で見つかった遺骨を掘り出すところを撮影した。「この遺骨はようやく家に帰れる」。当時はそう思っていたが、現実は厳しい。いまだに身元すら確認されていない。
悲劇を伝えることで戦争をなくすことができる――。そう信じて毎年8月に戦争関連の企画を報じてきた。「戦争を知らない世代」と言われたわたしも気づけば64歳になった。戦後80年がたち、あらゆるものが風化。証言者も年々少なくなり、戦争の記憶を伝えることが難しくなってきた。
そんな状況下で、宮田さんのような若者が自分のルーツと向き合いながら語り部を目指すのは、本当に心強い。差別を受ける不安を乗り越え、行動する姿は希望にも感じた。若い世代と、これからも戦争や差別に向き合えたらと、切に願う。