“北海道を宝の島に”体験型観光でインバウンドを促進 「北海道宝島旅行社」鈴木宏一郎さん #BOSSTALK
観光地でない地域の"宝"を掘り起こし、ニーズに合わせ、観光の目玉に
――完全にお客様のニーズに合わせたプランですね。
「同じプランは一つもありません。そうしたことに頑張ってくださるまちや、地域の方が増えており、本当に北海道は宝の山、宝の島です」
――今、力を入れられていることは?
「昔は外国人のお客さまは富裕層と言われていましたが、(近年は)家族連れなど、普通のお客さまもどんどん増えており、テーマやサービスのレベルを変えています。自転車に乗ってみたい、ハイキングしてみたいという方も多いです。欧米豪の方は体を動かすのが好きです。そうした観光に北海道は最高です。山の頂上を目指すだけではなく、景色の良いところを歩きたいというニーズもあります。(ツアーの成否は)お客さんのニーズをきっちり聞けるかどうかにかかっています」
――商品開発は常に新しい視点で行う必要がありますね。
「北海道各地の観光地ではない地域の漁師さん、農家さんとの触れ合いがめちゃくちゃおもしろい。農家さん、漁師さんが毎日、お客さんを受け入れるのは不可能です。暇な時期に『1カ月に2組ぐらいなら』と受け入れてくださる方々を大事にしています」
外国人の感動に触れ、住民が気づく普段の生活の価値 郷土の魅力
――北海道の地域の方がインバウンドの方と触れ合う機会が増えています。地元からはどんな声が届いていますか。
「それが実は自分たちのやりがいになっています。お客さんを受け入れてくださる方は地域の普段の生活、生業をお裾分けしてくださる。外国のお客さまは本当に感動すると『ワーオ』と握手を求め、ハグしてくる。『また来るよ』と言って本当にやって来ます。富裕層だから行きたいところは多くあるのに。地元の方は『次はどこの国の人が来るの?』って楽しみにしてくださる。一番うれしいのが地元のお子さんや若者の反応です。外国人のお客さまの感動する姿に『うちのお父さん、お母さんはすごいな』『うちの地域は格好いい』ってなります。観光が地域の活性化に活用できる。金銭面だけなく、そうした価値があると思います」
――無形の価値ですね。自分の親や地域の人、地域自体をリスペクトする若者が増えているのですね。
「農家さんはトラクターの上が格好いいし、漁師さんは港や船の上にいるのが一番、格好いい。本物が勝負。北海道は本物だらけなので強いですよ」