「技術がなくなるのは全人類の損」“老舗のうどん”次の世代へ…廃業の危機を乗り越え若手へバトンつなぐ挑戦 北海道東川町
湿度の管理も久保さんに習いましたが、難しさもあるようで…
「(環境の管理など)久保さんの肌感しかない。計測ができない。最近ちょっと分かってきた」(藤田さん)
12月1日。東川町の道の駅では久保さんから藤田さんに受け継がれたうどんの販売が始まりました。
納品に来た社長、寺林さんも期待を口にします。
「たくさんの方に召し上がっていただけたらうれしいなあと思っています」(羽衣製麺 寺林社長)
販売開始から2週間で200食以上が売れ出だしは順調だということです。
ただ、北海道は全国的に見て後継者不足が深刻です。
帝国データバンクによりますと、道内の後継者の不在率は66.5%と、全国で4番目。
近年改善傾向にあるとは言え、廃業の危機と隣り合わせの状況です。
「事業承継をされずに廃業するのは、地元の飲食店が失われるだけではなく声が失われて、お客さんが失われて町の縮小につながっていく」(北海道事業承継・引継ぎ支援センター 新宮 隆太 さん)
久保さんのうどん作りの技術を託された藤田さん。
この味をさらに次の世代へつなごうと意気込みます。
「30年40年、やれる限りはやろうかな。引き継いでいって若い子に継承できれば」(藤田さん)
愛する地元の味を残したい。
57年間、麺づくりを続けてきた久保さんの58年目は、地元の若い職人にバトンを託し、新たなスタートを切りました。