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函館と札幌を結ぶ都市間バスの便数が半減 背景に“運転手不足”…事態はさらに深刻化か “2024年問題”が迫る

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朝市で働く人の声

朝市で働く人の声

 函館朝市で働く人:「多少なり便数が減れば、入ってくる人も少なくなる。減便にならないで、普通に来てもらえればありがたい」

 函館朝市で働く人:「こういう仕事をしている人にとっては、大きな打撃だと思う。人手不足はいろいろな職種で、すごく感じている」

 バスの運転手不足は、深刻さを増しています。

乗り合いバスの運転手が3割も減っている

乗り合いバスの運転手が3割も減っている

 最盛期の1975年度、全国の乗り合いバスの運転手は約10万7000人でした。

 しかし、2021年度には約7万4000人と3割も減少しています。

 この状況は2024年春から、さらに拍車がかかる可能性があります。

 労働時間の規制で収入や輸送量の減少などが懸念される、「2024年問題」が控えているからです。

流通経済大学の矢野さん

流通経済大学の矢野さん

 流通経済大学 矢野 裕児 教授:「バス運転手は非常に労働時間が長いという問題を抱えている。2024年の春に時間外労働の上限規制が適用されると、時間外労働が減ることによって、給与が減ってしまうという可能性がある」

時間外労働時間を規制

時間外労働時間を規制

 過酷な労働環境を見直すため、政府は2024年4月からバスやトラックの運転手などの時間外労働時間を規制します。

 長い労働時間は改善されますが、規制されることで収入が減ると転職する人が増える可能性もあります。

 そのため、さらに運転手不足が深刻化する恐れがあるというのです。

運転手不足がさらに深刻化する恐れも…

運転手不足がさらに深刻化する恐れも…

 流通経済大学 矢野 裕児 教授:「労働時間が短くなることによって収入が減ると、ますます若い人にとっては魅力的ではなくなる。労働時間が短くなるのなら、それにあわせて給料は変わらなくすべき。今から議論が必要なことだと思う」

 都市間バス「高速はこだて号」の便数半減にとどまらず、さらに大きな影響が出ることも予想されます。

 私たちの生活を支える大事な交通基盤を、どうやって守っていくのか。真剣に考えなければならない問題です。