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函館と札幌を結ぶ都市間バスの便数が半減 背景に“運転手不足”…事態はさらに深刻化か “2024年問題”が迫る

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 有数の観光地・函館市と、北海道随一の大都市・札幌市を結ぶ高速バスが、大幅に減便することが決まりました。

 背景にあるのは運転手不足です。

 利用客の戸惑いと、バス業界が置かれた厳しい現状を取材しました。

観光客でにぎわう「函館朝市」

観光客でにぎわう「函館朝市」

 観光客でにぎわう函館市の「函館朝市」。コロナ禍以前に戻ったかのような活気にあふれています。

 秋の観光シーズンに向けさらに期待が高まる中、それに水を差しかねないような動きが出ているんです。

 斉藤 健太 記者:「函館市と札幌市をつなぐ高速バスです。観光地と大都市をつなぐバスとして人気なのですが、2023年10月から大幅に減便になるということです」

都市間バスなど4社が共同運行

都市間バスなど4社が共同運行

 函館市と札幌市を結ぶ都市間バス「高速はこだて号」。

 「函館バス」など4社が共同運行し、帰省や旅行で使われるなど利用者に親しまれてきました。

 現在1日8往復運行されていますが、10月からは4往復と半減することが決まったのです。

 「函館バス」以外の2社が減便、1社が路線から撤退するためです。
 
 函館バス 大隅 穣さん:「事情もあるので仕方がないと思っている」

バスの運転手不足に…

バスの運転手不足に…

 主な理由は、バスの運転手不足です。

 近年、定年などの退職者の数に対し採用が追いついていないことなどがあり、運転手が足りていないといいます。

 函館バス 大隅 穣さん:「バス業界ではバスの運転に必要な大型二種免許の取得のために費用と時間がかかる。これが一番のネックになっていると思っている」

週末は満席に近い状態に

週末は満席に近い状態に

 「高速はこだて号」の利用客は、コロナ禍以前の2018年度は約12万人でした。

 2022度は約6万人と半減しましたが、2023年度は行動制限がないこともあり週末は満席に近い状態が続いているといいます。

魅力を伝えたいと話す大隅さん

魅力を伝えたいと話す大隅さん

 函館バス 大隅 穣さん:「歯がゆい思いは正直ある。6月にバス運転体験会を開いて好評を得ていたので、バスの乗務員の魅力を伝えて新規採用につなげたいと思う」

 需要が戻ってきた中での、便数の半減。利用客からは戸惑いの声が聞かれます。

 函館市民(20代):「札幌市などに行くときは、だいたい高速バスを使う。飛行機やJRは料金が高いので、バスだとコストパフォーマンスがいい。減便はちょっと悲しい感じがする」

 函館市民(20代):「ちょうどいい時間帯の便がなくなると悲しい。しょうがない。自動運転が普及すればよくなるかも」

 観光復活の兆しが見えた矢先の減便に、観光業界からも懸念の声が。