【新米の価格どうなる?】農家へ前払いする”概算金”が去年より1.7倍以上の金額に―「機械購入など余裕をもって次に進める」と歓迎…一方で”コメ離れ”懸念も「消費者も守ってほしい」
まもなく収穫を迎えるコメ。
2025年、農協がコメ農家に前払いする「概算金」が2024年の1.7倍以上に決まりました。
今後、コメ価格はどうなるのでしょうか。
「概算金」2024年の1.7倍以上に
農協がコメを集荷する際に農家に前払いする概算金。
毎年、収穫前にホクレンが金額を決めています。
関係者によりますと、玄米60キロあたりの概算金は「ゆめぴりか」が3万円、「ななつぼし」は2万9000円に決定。
いずれも2024年より1万2500円高く、1.7倍以上の金額になりました。
「(これまでは)普通に作っているだけでどんどん利益が減っていくだけだったので、機械の購入とかもありますので、概算金引き上げで余裕をもって次に進めるという感じがします」(旭川市のコメ農家 川添宏明さん)
一方、札幌市内のスーパーでは、新米は9月中旬ごろから販売予定で、5キロあたり500円程度値上がりするのではとみています。
「新米は税抜きで3700円~4000円切る位の価格(※税込みで4000円~4300円ほど)になってくるかなと。消費の部分が少し落ち込んでくるという懸念もあります」(キテネ食品館 中塚誠社長)
「経済を回すためには仕方ないけど、我々年金生活者は許せない。5キロ4000円以上になると買えないよね」(買い物客)
果たして、2025年のコメは生産者と消費者が納得する価格になるのか。
期待と不安が入り混じっています。
2025年3月から5月は4000円台まで上昇。備蓄米が流通し始めた6月から3000円台後半に下がり、最新価格は3542円(7月28日~8月3日)となりました。
概算金が1.7倍になる事でスーパーのコメ価格は、上がるのでしょうか。
2024年は概算金に加えて、販売状況を受けた追加金も多く支払われていました。
2025年は概算金が1.7倍以上となりましたが、追加金も含めた2024年の金額に近いということです。
農協が農家に払う金額はあまり変わらないため、「スーパーでの価格が大幅に上がる事はない」と、相原教授は話します。
コメの“適正価格”は一体いくらなのか。生産者と消費者、双方が納得できる価格は…。今後の動向に注目です。