【参院選の争点】コメ高騰に有権者の審判は…備蓄米放出に評価「スピード感が早い」 “減反”から“増産”に生産現場からは疑問の声も「今さら田植えはできない」 価格安定に政治が果たす役割とは
事実上の政権選択選挙と位置づけられる今回の参議院選挙。
私たちが直面した未曽有のコメ価格高騰も判断材料の一つです。
消費者、農家、小売店はそれぞれの立場でどう考えるのでしょうか。
6月に随意契約による備蓄米を早朝から並んで10キロ購入した、高田勉さんと桂子さん夫婦。
現在はどうしているのでしょうか。
「きょうも備蓄米です」(高田桂子さん)
「おいしいね」(高田勉さん)
これまでに高田さん夫婦はあわせて30キロの備蓄米を購入。
北海道南部の八雲町に住む妹にも送りました。
「妹は良かったと言っていた」(高田桂子さん)
「地方には備蓄米がまだ回っていないみたいだ」(高田勉さん)
地方では備蓄米が十分に行き渡っていない現実もあるようです。
コメ政策を巡り高田さん夫婦が参議院選挙に求めるものは。
「生活するには安い方がいいが、いくらという金額を計算するのは難しい。農家が1俵60キロをいくらで卸せば採算がとれるのか。ある程度国が介入して価格調整を行い、農家も採算がとれ負担がかからない金額を打ち出すより方法がないと思う」(高田勉さん)
国は1971年から、作付面積を制限し生産量を調整する減反政策を取ってきました。
2018年に廃止されましたがその後も事実上の減反が続けられ、約50年でコメの作付面積は半分以下に減りました。
政府は2025年からコメの増産に踏み切る方針を示しています。
「今さら田植えはできない。疑問でしかない。本当に何をやりたいのかをしっかり言ってほしかった」(川添農園 川添宏明さん)
旭川市の稲作農家、川添宏明さんです。
31ヘクタールの水田を耕作し、年間約220トンのコメを出荷しています。