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事務局スケッチブック

ガウディとジュジョールと
モンフェリー教会堂(未完)に出会って

 サグラダ・ファミリアの設計等で著名な建築家ガウディの名前は知っていてもジュジョールを知っている人は少ないかもしれない。日本では無名だがガウディの協力者として、家具デザインや絵画の分野でも唯一無二の才能を発揮した建築家だそうだ。。
 UHB大学今回の講師は木下康男さん。木下さんは星槎道都大学の非常勤講師を勤める傍ら北海道スペイン協会副会長など様々な肩書をもつ建築家。
 木下さんは現在61歳。大学卒業後設計会社に勤めていたが、ガウディやミロの国スペインに憧れ、退社してバルセロナの語学学校に入学したのは1989年のことだ。
 初めての海外でスペインに渡った木下さん、寸暇を惜しんでガウディ建築巡りをするが、たびたびジュジョールの名前を目にし、ガウディの仕事の中で大きな役割を果たしたと気付いた。そうするとジュジョールについてもっともっと知りたくなったという。
 ジュジョールは1879年バルセロナ近くの港町タラゴナで生まれた。ガウディが施主ともめて建設工事が止まったカサ・ミラを完成させたのはジュジョールである。
 多くのパトロン(お金持ちの支援者)がついていたガウディと、貧しかったジュジョールは対照的だった。
 ジュジュールに魅かれた木下さんは留学後すぐに、未完の「モンフェリー教会堂遺構」の実測調査を始めたのである。
 「モンフェリー教会堂」は、スペインを代表するキリスト教の聖地モンセラート聖山を教会堂に投影していて、まさにタラゴナ平原に舞い降りた天空の聖堂だ。
 実測図面から考察すると「モンフェリー教会堂」の平面は、ガウディの作品コロニア・グエル(ユネスコ世界遺産)の平面と驚くほど似ている。出来ていればサグラダ・ファミリアと並ぶものだという。
 木下さんは「モンフェリー教会堂、トーレ・デ・ラ・クレウ、スペイン広場の噴水」をジュジョールの生命の3部作ととらえている。
 そしてジュジョールには古典回帰と見せかけながらも、実はガウディに対する脱却と凌駕する思いの丈が随所に感じられるという。
 当時のジュジョールの豊かな発想と洞察力に、時代が追い付いていなかったかもしれない。
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