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北海道の気象変化について

 UHB大学今回の講演はUHBお天気キャスターの菅井貴子さん。柔らかい口調と分かりやすい解説で人気の気象予報士である。
 菅井さんは横浜出身。大学時代は数学科に在籍、数学の教師を目指していたそうだ。それが一転気象予報士となり、全国各地を回り、そして学生時代から憧れた北海道へ。札幌生活は15年、菅井さんは(移動距離)日本一の気象予報士だ。

 ではまず、菅井さんの1日とは。
10時にみんテレの会議が始まりその日のメニューや内容を確認する。その後お昼の天気予報をサポート。午後からは素材の発注や映像の編集作業に追われ、合間にスタイリストと衣装合わせやメイクタイム。
 そうこうしている間に16時50分みんテレの番組スタート。2時間の長丁場を終え19時から反省会。
 しかしこんな日常も台風や大雪などの災害が起こると一変。四六時中データを読み解き、予報を作成する。かつては気象庁の発表を伝えるだけの時代もあったがUHBは独自の予報を作成している。
 ところで週間予報はいつ見るのがベストか。菅井さんによると昼がおすすめだそうだ。11時発表のデータを基に作成しているからだ。
 実は北海道は、気象予報士にとってやりがいのある地域又は気象予報士泣かせとも言えるそうだ。
 とにかく全国上位の記録が多い。まず寒さ日本一は1902年に旭川で観測された-41度。非公式では朱鞠内の-41.2度だ。
 暑さも41.1度の熊谷、浜松に次いでサロマ町が2019年5/26に記録した39.5度。沖縄は最高35.6度だが実は札幌は36.2度で、沖縄より札幌が高い。
 いずれもフェーン現象によるものだ。その他池田町の日照時間は「晴れの国」岡山より多く日本一とも言われている。
 また海水温が違う3つの海がある北海道は東風が吹くとオホーツク海側は涼しくなる。南風が吹くと釧路など太平洋側は霧が発生し、西風がフェーン現象を引き起こす。様々な記録が生まれるのも、うなずける。
 最近の温暖化は北海道にも影響を与えている。札幌で言えばサクラの開花が昔は5/10頃、今年は4/23だったから約半月早くなっている。夏暑く秋が遅いのも特徴的だ。エアコンの需要は年々増えている。
 また昔よりも20%程雨も多く蝦夷梅雨という言葉も定着しつつある。北海道は日本で一番温暖化が進んでいて、世界の倍のペースというから穏やかでない。
 2100年の北海道は3つの災害の心配がある。1つは強い台風、発達のピークに北海道上陸?
 2つ目は急速に発達する低気圧の増加、3つ目は寒冷化する説(北極の温暖化が進みシベリア高気圧がずれて寒冷化する?)だ。
毎年道内のどこかで大雪か、とんでもない寒さが発生している。
 菅井さんの北海道気象予報士生活の中でも大きな気象災害が起こっている。
 ひとつは2006年11月サロマ町の竜巻で9人が死亡した災害。全道で積乱雲が発生したが情報が伝わらなかったと言う。
 現在竜巻注意情報があるが出ても確率は5%~10%、しかし避難しても損をしたと思わないで欲しい。
 また2013年3月の暴風雪では中標津町や湧別町で9人が死亡した。嵐には「やみま」がある。吹雪が終わってしまったと思う人が多いが「間と魔」には十分な心掛けが必要だ。
 菅井さんはUHBみんテレで毎日気象情報をお伝えしているほか、「北海道のお天気ごよみ365日」、「気象のしくみ」等の著書がある。興味のある方はぜひご覧頂きたい。
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