事務局スケッチブック
約1年前にむかわで新種の恐竜化石を発見した小林教授。
研究者仲間から「ファルコンズ・アイ(ハヤブサの目)」と呼ばれるほど鋭い観察眼を持っている。
また恐竜ファンからの愛称は「ダイナソー小林」。
恐竜を通してのメッセージ
15日、恐竜学者の北大小林快次教授による公開講座を実施した。皆さんは恐竜と聞いて何を思い浮かべるだろうか?我々世代なら「ゴジラ」、要は絶滅した大きな怪獣である。
小林教授によると、恐竜は爬虫類と鳥類をつなぐ動物として位置づけられているそうで、鳥に姿を変えて生きているという。鳥は恐竜であるとのことだ。
道民にとって恐竜と言えば国内最大級の「むかわ竜」。そのむかわ竜研究の第一人者が小林教授である。
むかわ竜の学名は「カムイサウルス・ジャポニクス」。小林教授は名前をつける時に地名も人名もやめ、アイヌ語で神を表す「カムイ」を用い「日本の恐竜の神」という意味を込めて命名したのである。
また小林教授の北大は日本の恐竜文化を引っ張る存在で、1934年、日本人では初めて南樺太(サハリン)で恐竜を発見している。これがニッポノサウルスで、この頃の日本は食物がたくさんあってすごしやすい地域だったことが分かるそうだ。
ちなみに小林教授の日常は忙しい。コロナ前は例年約5か月間、海外を含めての調査研究に充て、残りの時間で学生を教え、論文や本を書き、合間をみてテレビ出演をこなしていく。
そんな小林教授が恐竜研究を通して生涯教育や経済的価値についても語ってくれた。
「化石は見つかった時はただの石ではあるけれど、そこに資産価値を見出していくことが出来る」
確かにグッズを作り、食べ物を作り、発信をすれば若者もその町にやってくる。関わっていくと、どんどん光り輝きブランド化されていく。まさに町おこしにつながっていくのである。どうやら我々は恐竜から学ぶことはたくさんあるようだ。
ところで恐竜の絶滅は約6600年前と言われている。一方でホモサピエンスの種は絶滅の時期を迎えているそうだ。驚いてしまったが、延命に向けて人間には考える力と伝える力があるとの言葉があった。
そして人間が一代でも永続し続けるためにやれることとして、小林教授が挙げたのは何と節水、節電、ゴミの分別である。
なるほど、これなら今日から実行できそうだ。小林教授の90分の講演はあっという間だった。次回どんなお話をしてくれるか今から待ち遠しい。
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