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ホスピスのこころについて

 「人生の最期をどう迎えるか」は我々にとって大きなテーマでもある。「ホスピスのこころ」を大切にする病院を理念に掲げるのが札幌南徳洲会病院。この病院の前野宏総長が今回UHB大学の講師である。
 「ホスピス」の語源はラテン語に由来し「おもてなし」という意味。中世ヨーロッパに起源を持ち、近代ホスピスは1967年イギリスで始まった。「ホスピスのこころ」は「弱さに仕えるこころ」である。終末期のガン患者は様々な苦痛を抱えた弱い存在。その全人的苦痛は多面的で4つに分類できる。
・身体的痛み
・精神的不安、いらだち
・社会的な問題(経済的、家族内)
・スピリチュアル 生きる意味への問い、自責の念
 この苦痛を抱えた患者に対し、どう寄り添うか、医療者だけではなく全ての人に共通する普遍的な問題なのである。
 病院では担当医はもちろん、担当ナース、担当ソーシャルワーカー等たくさんのメンバーが患者と向き合っている。またコロナの影響で面会が出来ないことから在宅医療が増え、訪問介護士の存在もさらに重要度が増した。
 ところで前野さんはなぜホスピス医を目指したのか。初めは外科医でガンを治療する立場だったが、33歳の時に柏木哲夫先生(日本のホスピスケアの生みの親)に会いホスピス医になろうと決心したとのこと。
 柏木先生は回診では必ず患者の傍らに座り、喋るのではなく患者の気持ちを聞かせてもらう、その姿に感銘を受けたと前野さんは言う。
 大切なのはBeing there(そこにいること)ホスピスケアの根底にあるのは平等(対等)意識である。
 またホスピスのこころが提供する3つのHがある

・Hospitality(おもてなし)
・Healing(癒し)
・Hope(希望)

 したがって南徳洲会病院の新病院はこれらを感じる建物にし、四季を見られ、絵画を展示しピアノも置き、穏やかな気持ちにさせてくれる。
 おしまいに前野さんは下稲葉康之先生の言葉を引用した。「医療者が患者に教えられた。お世話しているつもりだったが自分が癒され、教えられた。むしろ生きること、死ぬことを教わった。学ぶことはたくさんある。」
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