“良いママ”じゃなきゃダメ? 女性を追い詰めたSNSのキラキラした「理想像」 #マイノーマル
SNSの「キラキラ」と、こぼれ落ちる本音
SNSにアップされる“理想のママ像”にも当時は苛まれた。家事も育児も、常に余裕に見える他人の日常。
比較しては「自分はなぜ苦しいのか」と自問自答し、必要な情報かそうでないかを選びとる余裕はなかった。
「母親はこうあるべき」という思考の檻に閉じ込められ、好きな音楽を聴くことも、一人の時間を過ごすことも後回しにしてきたが、24時間、「母親」を演じることに限界を感じるようになっていた。
変わるきっかけは、夫の政春さんとの対話だった。
最初のうち、政春さんは『何か手伝うよ』という受け身のスタンスが多く、育児でわからないことがあると、凪彩さんに何でも聞いていたという。
「だけど私も母親1年生だから、わからないよって。一緒に子育てしているつもりでも、ちょっとずつズレていって」
当時、政春さんは転職したばかりで、帰宅は深夜になることも…子育てをめぐる衝突が絶えなかったという。
「僕は家事が疎くて。1年目、2年目はもっともっと衝突がありました」(政春さん)
板挟みにならない「基準」を育てたい
転機のひとつは、離乳食の作り方を政春さんから尋ねられた時だったという。
「1回ずつ私が教えるのではなく、SNSで得たレシピや育児のヒントを夫にシェアし、情報を同期するようにしました。今では夫のスマホにも自然と育児情報が表示されるようになり、主体的に情報を得るようになりました」 (凪彩さん)
かつて自分を苦しめたSNSも付き合い方を変えることで、夫婦をつなぐツールに。
全てを鵜呑みにせず、自分が必要としている情報を自ら選び取れるようになった。
その上で、お互いが今、何に困っているかを言葉にし、自分たちなりの「基準」を作り上げた。
今では、政春さんはおむつ替えや寝かしつけなどもそつなくこなす。
時間はかかったが、お互いの状況を見てカバーし合う、チームのような関係を築けたという。
一方で、凪彩さんは夫婦だけ、周りの家族だけで子育てするのは本当に難しいとも感じた。
「わたしはとことん夫と向き合ったし、夫はとことん応じてくれた。夫婦の中で解消できた部分があるが、(世の中には)旦那さんの仕事がもっと忙しい、単身赴任でいらっしゃらないなど、そうもいかない部分があると思う」
家庭の中だけで解決しようとせず、『第三者や社会の手を借りることを前提にする』のが、令和流の子育ての第一歩かもしれない状況がある。

















