“良いママ”じゃなきゃダメ? 女性を追い詰めたSNSのキラキラした「理想像」 #マイノーマル
「なぜ自分だけうまくできないのか」。
【写真で見る】「良いママじゃなきゃダメ?」令和の子育て
2022年春、初めての育児で泣き止まない赤ちゃんを抱いた北海道札幌市の加茂凪彩(かも・なぎさ)さんは、部屋の隅で自問自答に明け暮れていた。
「そんなに神経質にならなくていいんだよ」。親世代からの励ましに苦しさを覚え、SNSにあふれるキラキラした“理想のママ”と比べては自らを追い詰めた。
一時、産後うつに近い不調に陥ったという。
凪彩さんは今、自らの経験を生かし、同じように悩むママの声に耳を傾ける活動を始めた。
新旧の情報が入り混じる令和の時代、何気ない「フツー」の板挟みとなり、孤立感や罪悪感に悩む母親とかつての自分に伝えたい。
完璧な「良いママ」を目指さなくて良いんだよ――。
隠れてミルクを作った日
元看護師の凪彩さん(31)は、ボイラー整備士の夫・政春さん(32)、長女・柚葉ちゃん(4)、次女・紬生(つむぎ)ちゃん(1)と4人で暮らしている。
凪彩さんが長女を出産した2022年は、新型コロナウイルスが急拡大する「コロナ禍」の真っ只中だった。
出産後も外出はままならず、社会とのつながりも断たれた中での育児。
初めての経験ゆえに、目の前の娘の反応一つ一つが、自分の評価であるかのように感じられていた。
「日中の自分の声掛けが良くないのかな」「遊び方が悪いから反応しないのかな」。
発語や発育のスピード、日々の些細なことに対しても自分自身の対応を疑い、一人で抱え込んでいた。
「一生懸命になるほど、子どもにこうしてあげたいという思いが強すぎて敏感になりすぎてしまう。結果としてどんどん孤立していく」と当時を振り返る。
「母乳で育てているの?」「抱っこばかりしていると癖がつくよ」といった周囲の親世代のアドバイスも当時はプレッシャーに感じてしまった。
「良かれと思って言ってくれているのは分かるんです。でも、当時の私にはどれもズキッと刺さってしまって…」。
ミルクを飲ませている時ですら、「母乳じゃないとダメなのかな」と罪悪感を抱き、隠れてミルクを作った日もあった。
仕事が忙しい夫や、親にも弱音を吐けず、自分を責め続けた。
















