北海道の大地が育てたクラフトビールで至福の時を 「SOCブルーイング」坂口典正さん
50リットルを捨てまくった7年ーー試行錯誤の末に全国金賞へ
――創業してからはどういう形でスタートしたのですか。
「 私はどちらかというとビールを飲む方でしたが、カナダのバンクーバーでビールの修業をしていた20代の若者2人との縁があって、4人で創業しました。免許取得に時間がかかり、その間は飲食店としてサッポロビールなどを販売させてもらっていました」
――やっとできたビールはどうでしたか。
「 会社を起こして1年間できなかったのです。2003年の5月にやっとできたのですが、期待して飲んだら激マズでした。アップルジュースが苦い感じ。甘酸っぱいのですが、変な発酵をすると酸味が出るのです。それでホップが効いているので苦いのです。極めて美味しくない。全然無理でした。ほかの地ビールさんの機械は1000リットル単位で最低作るというのが通常でしたが、弊社の場合は、ひと仕込みが50リットルで作るという小さい機械だったので、まずいのができたら捨てる勇気は持てたのです。捨てまくっていました最初の頃は」
――成功だと思えたのはどれぐらいかかったのですか。
「 職人の二人も試行錯誤するじゃないですか。そしたら2009年ですね。6、7年ぐらい経った時に、どんどん味が良くなって、全国的な品評会にも出して金賞をもらえるようになってきました」
江別移転とブランドへの進化ーーレンガ倉庫とコロナ禍を乗り越えて
――その後はどのように事業を広げていったのですか。
「 2009年に江別に工場を移転しました。50リットル窯では量産が難しく、1000リットルへ拡大するためです。江別の特産であるブランド小麦『ハルユタカ』と、趣あるレンガ倉庫という物件に巡り会えたことが決め手となりました。同時に二条市場近くにビアバーNORTH ISLANDもオープンし、当社のビールを知っていただくアンテナショップとして展開しました」
――NORTH ISLANDビールという名前にはどういう思いを込めたのですか。
「 広島県出身なので、北海道といえば『北の大地』、つまりNORTH ISLANDだと思い、単純ですがそう名付けました。地ビールとクラフトビールの違いをよく聞かれますが、中身は同じです。ただ『地ビール』という言葉に高い・美味しくないというイメージがあったため、そこからの脱却としてクラフトビールという呼称を使っています」
――事業を展開する中で大変なことはありましたか。
「 コロナ禍は非常に大変でした。アルコールへの風当たりが強く、直営店も営業できなくなりました。ただ幸運だったのは、コロナ直前の1ヶ月前にBtoC向けのECサイトをオープンしていたことです。これが事業継続の大きな支えとなりました」

















