海産物からスイーツまで 北海道の多彩なおいしさを発信 「丸市岡田商店」岡田隆志さん #BOSSTALK
コロナ禍の逆風の中、菓子製造 新規事業の大変さをエネルギーにやり遂げる
――従業員の方は「急にお菓子って言い出したぞ」という空気があったのでは。
「新型コロナウイル感染症がまん延し、お客さんが来なくなってしまった。みんな何かを作って発信していかないという気持ちがありました。大変でしたが、逆にエネルギーになってやり、遂げることができたと思います」
――社長就任のタイミングやきっかけは?
「カヌレの事業を正式にブランド『メルカードスイーツまる』でスタートしたとき、父と相談し、そのタイミングで代表になろうと決めました。父からは『自分で決めたことは、最後まで自分でやりなさい』と言われており、カヌレのときも『必死にやりなさい』って」
――社長に就任して何が変わりましたか?
「やはり責任感ですね。だれが何と言おうと、芯はブレてはいけないと強く感じました」
――そのボスとして、こう大切にしているは?
「日々、必死にやりますが、人間なので、必死に頑張りすぎれば疲れてしまいます。笑いながらも一生懸命に仕事をするのがモットーです」
――家業のお土産を売る商売はこれから先、広がっていきますか。
「環境が変わっていくので、お土産屋さんも変えていかないといけないと強く思っていて、次のフェーズに向け、調整中です。カヌレは北海道産原料100%で製造させていただいています。北海道の上質な原料で商品に展開していければと考えています」
「北海道にプライドを持ち、発信したい」 酒類の輸出にも事業拡大
――いろいろと頭にあるわけですね。今、力を入れていることは?
「オーストラリア向けに、お酒の輸出を始めました。5年先、10年先を考えると、北海道の商品を海外でも売っていかないといけないと思います」
――北海道を楽しみに来てくれた方をもてなす仕事を代々されていました。北海道は大事な場所なのでしょうね。
「北海道にプライドを持ちたいと考えます。小売業と卸売業に製造業が加わり、いろいろな北海道の商品を作ることができる環境になり、どんどん発信したいと考えています」
――バリエーションを増やしていくお考えですね。
「今年はお菓子に限らず、最低でも100アイテムを作りたいですね」
――北海道のありとあらゆるものを知った上で、作るわけですね。
「できる限り、現地を訪問し、工場に入り、しっかり話を聞かせていただいて情報を収集しています。それができるのも70年間ほどの卸売業があってこそだと思います」
――社長になって新しいことをやる土台には今までの積み重ねてきた歴史があると本当に感じました。