5代続く信頼と笑顔で北海道から酒文化の魅力を発信 「裕多加ショッピング」熊田理恵さん #BOSSTALK
父親の死後の風当たり 初めて自覚した経営者としての仕事の厳しさ
――経営者を継ぐタイミングや、引き継いだときの思いは?
「2022年に五代目社長に就きましたが、父がいたので、肩書きだけが変わったぐらいで、全然、実感がありませんでした。約1年後に父が亡くなって、さまざまな風当たりを受けて初めて代表の立場、責任を自覚しました。父の仕事の大変さを見て、分かっていたつもりでしたが、実は全然、分かっていませんでした。亡くなって初めて分かることが、今もたくさんあります」
――ボスとして、どういうところを大切にされていますか。
「もともと猪突猛進型で、思い立ったときは、もう動いていました。今はチームでしっかり動けるよう、みんなに自分の思いを伝えることを大事にしたいと思います」
――今、力を入れていらっしゃることは?
「日本酒を伝えるには知識、歴史、背景にあるものをお伝えすることが大切だと思います。そういう無形のものにも取り組んでいます」
――伝える対象はどういう方ですか。
「主人は米国人で、母国語は英語、日本語も流暢にお話しができます。実は国内外のお酒を審査するお酒のプロフェッショナルでもあります。彼が酒の造りやテイスティング、マリアージュについて日本人の方にも、外国人の方にもお伝えしています」
外国人が驚く日本酒のフルーティーな風味 今後は新たな酒造りにも挑戦
――日本酒に海外の方は興味がありますか。
「外国の方は、お米から造るのにフルーティーな香りがすることに驚き、不思議に思われます。日本食に日本酒が合うことにも興味を持つようです。日本に来られたら、この国の文化のお酒を飲んでいただきたいですね」
――思い描く未来のビションは?
「農家さんの全面協力で、お米を作らせてもらい、お酒を委託醸造していただいています。そうすることで、小売店では分からない酒蔵さんのご苦労を知ることができました。酒蔵さんの立場に立ったら、その気持ちがもっと分かり、小売りの商売にも生きると考えると、酒造りをやりたくなりました。今までにない酒を造ろうと思います。何かを新たに生み出すことが好きなので、興味を持ってくださる方には飲んでほしいです」