〈UHB記者が見た”大船渡市山林火災”〉4000人以上が家に戻れず… 2匹のネコを残し「後ろ髪引かれる思い」 東日本大震災で家を流された男性は服を無料提供「人が喜ぶのが一番」
岩手県の山火事は3月7日、一部で避難指示が解除されましたが、現在も4000人以上の人が家に戻れないでいます。
UHB記者の報告です。
至るところから噴き上がる赤い炎。
次々と燃え広がり火は長い距離にわたって続いていました。
これは消防が撮影した映像です。
焼けた地面は黒くなっていて、火は崖の下にまで…。
2月26日に発生した岩手県大船渡市の山火事。
乾燥注意報が2週間以上続いていましたが、3月5日からは雨や雪が降り始め7日に一部地域で避難指示が解除されました。
しかし4000人以上が家に戻れないでいます。
火事はどこでどのように起きて広がったのか。
2月26日午後1時ごろ、岩手県大船渡市赤崎町合足漁港の近くにいた人からこんな通報がありました。
「漁港付近にある建物のあたりから山側へ燃え広がりそうだ」
火は瞬く間に燃え広がり約2900ヘクタール、大船渡市の面積の9%が焼けています。市によりますと、火が出た原因は分かっていません。
「火災が発生した現場は釧路湿原の西側に位置しまして、国立公園の境にあたります」(原子敏昭記者)
北海道では1992年釧路湿原で約1030ヘクタールが焼ける火災がありました。火がついたたばこの投げ捨てが原因とみられています。
大船渡市の山火事は釧路湿原の火災の3倍近い焼失面積で、平成以降、国内最大の林野火災となりました。
「こちらから見えるのが綾里崎ですが、本来はたくさんの木があるということですが、火災によってほとんどが焼け落ちてしまっています。倉庫の外壁、柱、そして中が黒く焼け焦げてしまっています」(斉藤健太記者)
「火事には勝てねえな。ここまでになったら手をつけられない。人の手ではどうにもなんない」(漁師の男性)
日中はヘリで消火活動が続けられましたが、夜は安全上、作業できず、翌朝火は別の場所へと燃え広がってしまう。
こうした状態が繰り返され78棟の建物が焼け、巻き込まれたとみられる男性1人の遺体も見つかりました。
取材中も…。
「避難指示ですね。赤崎町ですね」
「避難した人が身を寄せる避難所です。続々、人が来ています。いま職員が受付など作業を進めています」(斉藤健太記者)
「恐怖でした。真夜中に家が燃えるかもしれないとか頭によぎって、怖さと不安がありました」(避難した高校生)