“エア・ウォーターの森”開業 地域と連携しイノベーションを生み出す企業へ 「エア・ウォーター北海道」庫元達也さん#BOSSTALK
道内自治体に10億円を寄付する制度を新設 課題先進地の北海道を支える
――地域貢献へのお考えは。
「北海道って、ちょっと前までは課題先進地域。全国に十年先駆けて、いろいろな問題が進んでいると言われていたのですね。北海道特有の課題ではなくて、日本全国地方エリアが抱える問題。たまたま北海道は十年先駆けている。いろいろな市町村に継続的な恒久的な寄付をエア・ウォーターグループとしてやってはどうかと、2023年度から2030年度まで8年間でトータル10億円を寄付する制度を立ち上げました。当初、エア・ウォーターという1企業に自治体さんが反応してくれるのかと、不安がありましたけど。非常に反響をいただいて、自治体さんも新しいことをあの企業と一緒にやるっていう機運が少し高まってきたのではないかと少し感じています。
――未来に対し、エア・ウォーターとして投資していくことに、何か新しいプロジェクトや新しい動きはありますか。
「昨年12月に札幌の中央区の桑園エリアに『エア・ウォーターの森』という建物を開業しました。うちのコーポレートスローガンに空気、水、そして地球に関わる事業の創造と発展に英知を結集する、とあるんです。まさにエア・ウォーターの森のコンセプトは外部の企業さんやパートナー企業さん、北海道の179市町村のいろいろな方々、道庁さんなど、そういった英知を結集すると、コーポレート(スローガンの)最後の最後にあるのですが、まさにそれを体現したような建物ができて、これから、そういう方と、いろいろなものごとの創造とか、事業創造をしていきたいというのが今、スタートしたばかりですね。
――ただのオフィスビルじゃないですもんね。
「そうですね。当時、企画部長という立場で携わっていましたけど、よもや開業する時に社長をやっているとは全く思ってなかったので、非常に引き締まる思いっていうか、プレッシャーしかないというか、そんな日々です」
「経営のプロより北海道を分かっている人に」 トップの一言に社長就任を受諾
――社長に就任された時は「えっ」ていう驚きだったわけですか。
「(会社に)入ったのも道新さんの求人広告を見て、転職を思い立って。そういう会社員を始めた人間が、よもや社長をやれって言われるとは夢にも思っていませんでした。エア・ウォーターグループのトップにその時、言われたのは『経営のプロじゃなくて、北海道のことをより分かっている人間におれは任せたいんだ』と。まあ、確かに北海道のことは隅々まで割と分かっている方だなというのと、そういう役回りが回ってきたのだということで、思い切って受けたという経緯ですね」
――新しく変えたことや、取り組んでいることは。
「昨年4月に社長に就任した時、関連事業会社の社長も変わったんです。若い社長って、いろいろなことをスピード感を出してやっていけるだろうという想像で、抜擢されているので、スピード感を殺してはだめだなと。社員も社長が若くなると、会社が変わるのかなっていう雰囲気を感じるわけですよ」
――その中でエア・ウォーターの森の完成は、もちろん外に向けても(発信力や影響力が)あるでしょうが、中に対するインパクトも相当大きかったんじゃないですか。