【終戦から79年】沖縄戦を取材した記者の妻―記事まとめ本を出版 「あゝ沖縄」平和を託した思い 夫がめぐった沖縄県の戦跡を訪れる…記事に登場する兵士の親族と交流も 北海道
本に登場する兵士の親族と交流 いまだに戻らない遺骨
沖縄から戻った藤子さんが旅の報告で訪れたのは北海道旭川市です。
森実サツミさん、99歳。輸送部隊に所属し沖縄で戦死した神原光司さんの妹です。
「あゝ沖縄」に描かれた兵士の親族で、こうしていまも交流ができるのはごくわずかです。
「この本を届けに来ました」(藤子さん)
「おかあさんのお兄さんの光司おじさんのことが載っている本なんですって」(森実さんの親族)
沖縄で戦死した兄。同僚から聴いた最後の姿は。
「上から飛行機に見つけられて攻撃されて、そこで亡くなったんですよ。近くに穴を掘って埋めたというのですよ。どこに埋めたか分からない」(森実 サツミさん)
この森実さんはいまも兄の帰りを待っています。いまだ戻らない遺骨。自分の髪を保存してDNA鑑定の準備をして、その日を待ち続けます。
「あゝ沖縄」の出版、そして沖縄訪問。藤子さんの話を聞くために札幌市で30人以上が集まりました。
北海道と沖縄県をつなぐ橋となった夫、幸一さんが書いた「あゝ沖縄」。平和への祈りをこめ戦争の悲惨な記憶を未来に紡ぎます。