<ススキノ首切断事件>父親の修被告が法廷に…証人尋問のやりとり詳報 “多重人格”瑠奈被告の行動を赤裸々に…「精神状態悪化を避けたかった」―母親の浩子被告2回目公判
頭部の撮影 「細かいことは覚えていない」
――殺人や首の切断の具体的な話は聞いたか。
「ありません」
――殺人や遺体損壊につながった経緯は。
「7月2日に夕方から報道がされていた。3日には新聞にも出た。そのあたりで事件は娘がしたのかなとつながる」
――逮捕まで20日以上かかったが、通報はしなかったのか。
「現場まで自家用車で行った。すぐにでも逮捕されると思った。私の手で警察に突き出すのは娘を裏切ることになる。娘の抱えていたものを受け止めきれずに、裏切るようでできなかった」
――怖くてできなかったのか。
「怖いというよりは我々が通報して、突き放されたら、今でも苦しんでいるのに、もっと病んでしまう。これ以上苦しめたくない。もっと壊れそうで怖かった。娘が怖いことはない」
「いろんなカメラが街中にはある。自宅は探されていると持った。浩子は私服警官に尾行されている。ゴミステーションでごみを不自然に持ってかれることも。逮捕されると思った」
――7月7日の頭部撮影は?
「細かいことは覚えていない。順番も」
――頭部損壊はいつ知った?
「充電が終わって、カメラを持ってと娘に言われる。浴室に入った時。何をするか具体的には言われていない」
――浩子被告に頼まれ?
「よく分からない。頼まれた気もするし、正確には覚えていない」
――殺害動機を聞いたことは?
「ありません」
「精神状態の悪化 避けたかった」
――なぜ殺して首を切断したか聞かない理由は。
「本人が何も言わないのに答えることはないと思い、頭になかった」
――娘は被害者との性行為に同意したか。
「本人から私も聞いている。それが悪いといっていない。避妊しなかったこと、するといったのに破ったこと、はぐらかしたことに腹を立てていた。なぜこんなことをしたのかまずは会って謝ってほしかった」
――瑠奈被告とナイフやのこぎり買った理由は。
「結構前から時々買っている。必要だからと言われれば、そうですかと買う。いいナイフだから、お守りとして、自分の魂がよくなるからと言われ買うこともあった」
――いつから?
「数年前から。ある程度芸術的なものを。ナイフはそれが最初」
――押収されたのは二十数種。
「ステーキナイフやペティナイフも含まれていたので分からない」
――のこぎりは?
「木を切ったり、かぼちゃをくりぬき、ジャックオーランタンを作る。プラモデルの小さいのこぎりなど、言われたら買っていた」
――頭部損壊の撮影をとめなかった。
「はい」
――損壊はだめなことは分かっているのか。
「はい。ショックもあった。今思うと、そのときやめなと言ってもやるだろうと思った。本人の行動をとやかく言って、精神状態の悪化を避けたかった。穏便にその時間が過ぎればと思った」
――頭部損壊をやめさせなかった理由は。
「目にしているインパクトに圧倒された。やめろといっても、それをやると思った」
――すでに一定の損壊されていたか。
「ほとんど損壊していた」
――怖かったからか?
「断ることで相当興奮するかもしれない。本人の精神状態が壊れるのを見ていたくなかった。怖い気持ちもゼロではない。本人が壊れるのを忍びない」