「目標は自立と幸せな家庭を築くこと」2度の児相保護…"虐待サバイバー" 施設からの巣立ち 退所後も支える経済困窮や孤立防ぐ取り組み
自立援助ホームは共同生活をしながら、一人暮らしなどの自立を目指すための施設です。
平日は中標津町の学校に通い、週末は施設に戻りアルバイトをする日々。
施設の職員や学校の先生が支えになり、暮らしは落ち着いていきました。
一人暮らしに苦戦 寄り添う職員
初めて大人を信頼することができるようになったといいます。
「学校にいる間もKCカルムの職員に電話して話を聞いてもらい、優しくて心の支えになってくれていました。担任の先生も本当に向き合ってくれて。その先生のおかげですね。先生のこと好きになったのも。(生徒会長になって)学校を変えようと思ったのも」(笹谷さん)
2023年春、学校を卒業。ホームも出ることになりました。
料理、掃除、洗濯。サバイバーはこうしたことをなかなか家庭で学ぶことができません。
自立援助ホームにいる間は職員がしてくれたことも、すべてひとりでこなしていかなくてはいけません。特に大変なのは金銭の管理だといいます。
「お金に困った時にご飯が出てくるわけではないので、自分で何とかしないといけないのは大変。家にあるものを食べて給料日まで待っている」(笹谷さん)
心配した本間さんが、笹谷さんの家を訪ねました。
「クリスマスだったから差し入れを」(本間さん)
「ありがとうございます」(笹谷さん)
「いまは順調ですね」(笹谷さん)
「お金はどう?」(本間さん)
「結構きつい。後払いをしてしまいがち」(笹谷さん)
「やっぱり現金の方がいいと思うよ。後でつけが来るからね」(本間さん)
KCカルムではホームを出た若者が本格的に社会に出る間、近くに借り上げた「ステップハウス」で暮らしてもらい、見守りを続けています。