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8軒が焼ける火事 “強風注意報”が発表中…風にあおられ被害が拡大 専門家が指摘「2キロ先まで飛び火した例も」

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 北海道乙部町で住宅など8軒が焼けた火事。被害が拡大した背景には強い風があるとみられています。どんな危険が潜んでいるのでしょうか。専門家に聞きました。

 「木造の建物が燃えた場合に発生する火の粉は上昇気流に乗り上に上がって、そのまま放射状に落ちる。風が強い場合は、風下側に強制的に火の粉が飛んでいく。通常の火災より強風の時の火災の方が延焼しやすい」(札幌市消防局 予防部 冨士元 真さん)

乙部町の火災の様子

乙部町の火災の様子

 11月19日、乙部町には強風注意報が発表されていて、隣町の江差町では最大瞬間風速19.9メートルを観測していました。幅10メートル以上ある国道を超えて、飛び火したことになります。

 「火の粉は上昇気流に乗って高く舞い、2キロ先にも飛散した例もある。一般的に火がついたまま飛ぶ距離は700メートル前後と言われている」(札幌市消防局 予防部 冨士元さん)

幅10メートル以上ある国道を超えて飛び火か

幅10メートル以上ある国道を超えて飛び火か

 また、火の粉が飛んだ先の状態が火事の拡大につながることも。

 「乾燥していると、火の粉のような小さいエネルギーでも火がつく場合も」(札幌市消防局 予防部 冨士元さん)

 こちらは異なる気候条件で枯草の火の燃え広がり方を比べた実験映像です。

 向かって左側は湿度30パーセント、風速毎秒3~4メートルで空気が乾燥した状態。右側は湿度80パーセント、風速毎秒1~2メートルで空気が湿った状態です。

気候条件で枯草の火の燃え広がり方が違う

気候条件で枯草の火の燃え広がり方が違う

 風が強く空気が乾燥している左側は、たばこの吸い殻が枯草に燃え広がるのは3分40秒ほどでしたが、風が弱く空気が湿った右側は燃え広がるまでに10分30秒ほどかかりました。

 「空気が乾燥している時期で風が強い日には、屋外での火の取り扱いに十分注意を払ってほしい」(札幌市消防局 予防部 冨士元さん)