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SNSで知り合った22歳の女子大学生を殺害「嘱託殺人罪の54歳被告」…"懲役6年の実刑判決"不服とし控訴

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控訴した小野勇被告(2022年10月)

控訴した小野勇被告(2022年10月)

 2022年10月、札幌市東区の自宅アパートで小樽市の女子大学生(当時22)に頼まれ、首を両腕で絞めて殺害し、遺体の左脇の部分を刃物で切り裂いたなどの罪に問われ、懲役6年を言い渡された被告が、判決を不服として9月25日付で札幌高等裁判所に控訴しました。

  住所不定・無職の小野勇被告(54)は9月22日、札幌地方裁判所に懲役6年(求刑 懲役9年)の実刑判決を言い渡されました。

 この事件の裁判で検察側は「小野被告は女子大学生とのSNSでのやりとりを消去させるなど証拠隠滅を図っていて、一貫性や合目的性がある」として完全責任能力があったと主張していました。

 「自殺を思いとどまらせるのも十分可能だったのに、理由を確認せず、全ての可能性を奪ったのは悪質で強い非難に値する」とも指摘。懲役9年を求刑しました。

 弁護側は「過去の自殺未遂の経験から自殺へのハードルが低かった」とし、「犯行当時、心神耗弱の状態だった。女子大学生の強い思いに流されて犯行に及んだ」などと主張し、執行猶予付きの判決を求めていました。

 9月22日、札幌地裁の井下田英樹裁判長は「女子大学生に携帯電話の電源を切り、SNSアカウントを消去するように指示するなど、殺害の違法性を十分認識している。手法を変えながら一貫して殺害に向けた行動を取り、遺体を解体するための道具を購入するなど、状況に応じて合目的的な行動を取っているので、心神耗弱の疑いはない」として、小野被告は完全責任能力があったと認定しました。

 「人の生命を軽視し、反社会的であり、非常に悪質な事案で、厳しい非難に値する」とした一方で、「この事件は女子大学生の嘱託に基づいていて、計画性があることや殺意が強固であることを過度に重く考慮できない」などとして、懲役6年の実刑判決を言い渡していました。