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"被害者からの依頼"で減刑…22歳女子大学生殺害 嘱託殺人罪で男に懲役6年の実刑判決 遺族「率直に短い」札幌地裁

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 22歳の女子大学生の将来を奪った罪の重さとは…。

 嘱託殺人と死体損壊などの罪に問われた北海道札幌市東区の無職、小野勇被告に9月22日、判決が言い渡されました。

 「主文、被告人に懲役6年を言い渡す」(井下田 英樹 裁判長)

 判決によりますと、小野被告は2022年10月、札幌・東区の自宅アパートで北海道小樽市に住む当時22歳の女子大学生の依頼を受け、首を両腕で絞めて窒息死させました。
 
 さらに浴室で遺体の左脇を刃物で切り裂き、遺体を損壊しました。

初公判で検察側は「ウソをついて同意を得た」と指摘

 8月31日に開かれた初公判で、小野被告は起訴内容を認め、検察側は「自殺を手伝ったことがあるかのような嘘をつき、同意を得て実行している。十分な計画性があり完全責任能力がある」と指摘しました。
 
 一方、弁護側は「心神耗弱の状態で、自殺に対するハードルが低く、被害者も死にたいという気持ちが強かった」などと主張し、執行猶予判決を求めました。

娘を失った遺族の苦しい胸の内が明かされた

 初公判で明かされた女子大学生の遺族の思い。
 
 突然、娘を失った苦しい胸の内が綴られていました。

 「小野に大事な娘が殺されたと言っても信じられない。犯人のことは絶対に許しません。死刑になって欲しい。目の前で見たらつかみかかってしまう。もし死刑にならなかったら、家に来いと言いたい。娘の仏壇の前で両手をついて謝らせたい」(女子大学生の父親)

 そして、9月4日に開かれた論告求刑公判で小野勇被告は遺族に対して…

 「家族の皆さん、このタイミングで申し訳ありません。大切な娘さんを奪うことになり申し訳ございません。今後何年か分かりませんが墓前に行って頭を下げるつもりです」(小野 勇 被告)

判決のポイントとなったのは「責任能力の有無」

 検察側は小野被告に懲役9年を求刑。
 
 責任能力の有無が争点となっていました。

 9月22日、札幌地裁で開かれた判決公判。

 黒いTシャツにジーンズ姿の小野被告は姿勢を変えることなく裁判長を見ながら判決を聞いていました。

 井下田英樹裁判長は、小野被告について「心神耗弱の疑いはなく完全責任能力を認められる。非常に悪質で厳しい非難に値する」と指摘する一方、「被害者の嘱託に基づく犯行だった」として、懲役6年の実刑判決を言い渡しました。


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