「たてがみ なびかせ視線送る白馬」北海道東部・根室沖の無人島"ユルリ島"で生きる『幻の馬』…10年追った写真家が企画展
企画展で岡田さんの写真とともに並べられているのが神田日勝の油絵です。
神田日勝は戦後、鹿追町で農民として生きながら農耕馬などの絵を多く残しました。
「神田日勝は馬や廃屋、鉄くずなど、世の中から捨てられていくものを一生懸命描いています。誰もが豊かさに向かって進み、社会が発展していく中で、そこからこぼれ落ちたもの、忘れられていくようなものに、自分を重ねながら世の中を見つめていたのではと思います」(神田日勝記念美術館 川岸真由子・学芸員)
消えゆくものたちに永遠の命を吹き込んだ画家と写真家。
「他人に見られたくないものを表現する。それが芸術だということを日勝は教えてくれた。日勝や僕が絵を描くことや写真を撮ることで、何を表現したかったのかということを見てくれたら」(岡田さん)
2人の作家の作品は呼応し合い、「命とは何か」ということを見る者に問いかけます。
▼『神田日勝×岡田敦 幻の馬』
2023年8月11日(金) ~ 2023年10月28日(土)
神田日勝記念美術館(鹿追町東町3丁目2)
▼第31回馬耕忌記念講演「"ユルリ島の馬"と"未完の馬"」
8月27日(日)午後2時~ 参加無料(要申込)
鹿追町民ホール