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乳牛の周りに“100匹以上のイヌ”が 劣悪な環境の牛舎で「多頭飼育崩壊」…餓死など悲惨な事態も 救出活動が進む

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 牛舎では乳牛と100匹以上のイヌが、劣悪な環境で飼われていました。

 北海道佐呂間町の牧場で「多頭飼育崩壊」が発生し、救済活動が行われることになりました。

 牛舎内で乳牛の周りを吠えながら走るたくさんのイヌ。

 5月、佐呂間町の牧場で撮影された映像です。

 イヌの救出にあたっている公益財団法人「どうぶつ基金」によると、10頭以上の乳牛と100匹以上のイヌが確認されました。

餓死していくイヌも…

餓死していくイヌも…

 公益財団法人 どうぶつ基金 佐上 邦久理事長:「牛舎に入った時点では、全てのイヌが鳴き叫んでいる状態。栄養不足で、ドッグフードはもらえる状態ではなかった。ウシに与える飼料を食べて暮らしていたので、発見当時はやせ細って餓死していくイヌもいたという」

 牛舎はふん尿で汚染され衛生状態が悪く、死んでいる犬が10匹以上見つかりました。

 中には…。

死んでいるイヌも発見された

死んでいるイヌも発見された

 公益財団法人 どうぶつ基金 佐上 邦久理事長:「屋外で鎖につないで飼っているイヌが冬を越せず、雪が解けた後つながれたまま死んでいるのが何匹も発見された」

 劣悪な環境での多頭飼育崩壊は、なぜ起きたのでしょうか。

 牧場主は、数十年前に敷地内に捨てられたイヌを保護したことをきっかけに飼い始めました。

 しかし、去勢・不妊手術をしなかったため、どんどん数が増えていきました。

経営悪化でイヌに餌を与えられず…

経営悪化でイヌに餌を与えられず…

 さらに、ウシの飼料の高騰や牛乳消費の減少などにより牧場の経営が悪化。

 イヌに餌を与えることができなくなったというのです。

 公益財団法人 どうぶつ基金 佐上 邦久理事長:「収入が激減して、最終的に救助要請の声がかかった。去勢・不妊手術をしていれば、このようなことにはならなかった。その点は飼い主も大変悔やんでいた」

複数回指導されるも改善される

複数回指導されるも改善される

 佐呂間町には3年前から「イヌが逃げている」など付近住民からの苦情が複数あり、牧場に指導を行っていました。

 高齢の飼い主は、飼育困難を理由に地元のボランティア団体に救済を求め、町は5月に「どうぶつ基金」に緊急支援を要請したということです。

 牛舎にはイヌが70匹以上残っていて、救出を続けています。

 6月27日からは獣医師によって治療や不妊手術、狂犬病のワクチン接種などが行われる予定です。


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