「愛するから、撃つ」動物好きの27歳ハンターが引く命の境界線、クマ駆除への苦悩と挑戦
ヒグマの個体数が倍増し、人里への出没が相次ぐ北海道。
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深刻なハンター不足と命の危険が隣り合わせの現場で、27歳の高崎梨徒 (たかさき‣りと) さんはきょうも銃を手に取る。
北海道猟友会三笠支部で支部長を務める若きリーダーだ。
動物を愛するからこそ、人とヒグマの悲劇的な衝突を止めたい――。
ヒグマ対策の「切り札」として3年前に復活した「春期管理捕獲」(通称・春グマ駆除)が狙い通りの成果が上げられない中、命の狭間で葛藤する若きハンターの苦悩と挑戦を追った。
危険な個体を追うハンターの焦燥
北海道三笠市に住む職業ハンター・高崎梨徒さん。2月から5月にかけて連日、山に入る生活が続いていた。
理由は春グマ駆除のためだ。
春グマ駆除とは冬眠明けのヒグマを追って人里に出没する個体を特定、計画的に捕獲することで人との軋轢を回避するのが目的だ。
高崎さんの場合、通常3人でチームを組む。3月14日、高崎さんは研修のため同行者も連れて入山した。
残雪の中、スノーシューを履いて進む。
人里に出没しそうな危険な個体はいないか――。痕跡を探しながら、チームは傾斜がきついアイスバーンの上を慎重に歩いた。
雪が消えた5月9日には、高崎さんは沢伝いにヒグマの気配を探った。
時には崖のような場所を登り、泥にまみれながら山道を3キロほど歩いたが捕獲はできなかった。
「1つくらい(クマの)痕跡を見てもいいかなと思いましたけど…なかったです」(高崎さん)
ヒグマの気配はあっても姿は見えない――。
捕獲ゼロが続く中、高崎さんには焦燥感が募っていた。
ドクター・ドリトルに憧れ
高崎さんは名古屋市出身。幼い頃から動物が好きだった。
大学進学を機に北海道に移住し、農業を学ぶために進学した北海道酪農学園大学では授業などを通じて、さらに野生動物の魅力に惹かれていった。
「(動物と話せる架空のキャラクター)ドクター・ドリトルに憧れていた。道路ではねられた猫を見たら悲しい気持ちになるし、負傷した鳥を見かけたら手当したい気持ちになる」(高崎さん)
人生の転機となったのは5年前、22歳のとき。6月18日早朝の出来事だ。
札幌市東区の市街地でヒグマが男女4人を次々と襲う事件が起きた。
高崎さんはここから「人と野生動物との軋轢」という課題に興味を持ち、野生動物と関わる「現場」に身を置くハンターになることを決意した。

















