スキー場のエスカレーターで転倒した5歳児が窒息死「安全装置が無効化されていた可能性」「人的監視が欠如」第三者委が調査報告_警察は業務上過失致死の疑いも視野に捜査〈北海道小樽市〉
北海道小樽市のスキー場のエスカレーターで5歳の男の子が死亡した事故から4か月――
【写真】スキー場のエスカレーターに5歳男児が巻き込まれる
4月30日、第三者委員会による調査結果が公表され、安全装置が現場責任者の判断で無効化されていた可能性があると指摘しました。
この事故は2025年12月28日、小樽市の朝里川温泉スキー場の駐車場側に設置されたスノーエスカレーターの降り口付近で、当時5歳の男の子が転倒し、開いた安全蓋の奥にあるベルトとブラシの隙間に右前腕部が巻き込まれたものです。
男の子は事故発生から約45分から50分後にようやく救出されましたが、搬送先の病院で死亡が確認されました。巻き込まれた衣服で首元が圧迫されたことによる窒息死でした。
事故当時はエスカレーターについている緊急自動停止装置が作動しなかったほか、現場に監視員がいない状態でした。
■第三者委「安全装置を無効化していた」可能性
第三者委員会が公表した調査報告書では、事故の直接的な原因として、現場責任者が、降雪によるセンサーの誤作動を避けるため、安全装置を電気的に無効化していた可能性があると指摘。
さらに安全蓋が開いた際に自動停止する装置や、降り口付近の赤外線センサーなど複数の安全装置が正常に機能しない状態で運行が続けられていた疑いがあるとしました。
さらに報告書では、組織的な背景要因として、スノーエスカレーターは鉄道事業法や建築基準法の規制対象外で、監視員の配置基準も法的に定められていない「法的な空白地帯」にあったと指摘。事故当時、専従の監視員は配置されておらず、安全装置の管理や保守点検が現場責任者1人に属人化していたことが、安全上の問題や不正操作を見抜けない構造をつくり出していたと指摘しました。
■スノーエスカレーターは中国製…ブラックボックス状態で運用
このスノーエスカレーターは代理店を通さず、中国メーカーから直接輸入したもので、取扱説明書は中国語のみ。制御盤の設定も非開示とされ、国内にメンテナンスを担う業者もいない「ブラックボックス」の状態で運用されていました。現場責任者は北京の工場で研修を受けましたが、メーカー側から十分な情報提供はなかったということです。
第三者委員会は再発防止策として、監視員の常時配置や安全装置の点検体制の強化、外部専門家による監査体制の導入などを提言しています。
事故をめぐっては、警察が安全管理体制に問題がなかったか業務上過失致死の疑いも視野に捜査を続けています。


















