【北海道初のヒグマ緊急銃猟】通報からクマ駆除まで2時間余り&周知徹底の難しさ_前日には現場に近づきすぎた"野次馬"も_見えてきた課題と成果<北海道札幌市>
住民は―。
「(警察の戸別訪問で)出ないで下さいと言われた。警察も大変だと思った」
「市のホームページで知った。警察が『外に出ないように』と来た」
「もっと大きな声でゆっくり回ってほしかった。聞こえなかった人も。高齢者は耳が遠いから」(いずれも付近の住民)
札幌市がすべての世帯を戸別訪問することは現実的ではないのも事実です。
北海道内初の緊急銃猟。
今後に向けて、さらなる検討も必要になりそうです。
では今回の「緊急銃猟」と、今まで主に行われてきた「警察官職務執行法」による発砲では、何が違うのでしょうか。
環境省のガイドラインによりますと、「緊急銃猟」は、クマが人の日常生活圏に侵入し、その後安全確保を行い住民などに弾が当たる恐れがない場合に、自治体の判断によって撃つことができます。
例えばクマが建物に入り込んだ場合などの膠着状態にある時に、緊急銃猟が行われます。
一方で「警察官職務執行法」は、クマが人里に出没し具体的に危険が生じ、特に急を要する場合に警察官が発砲の命令を出します。
例えば公園に出没したクマが人に接近している場合など、差し迫った場面で使用されます。
今回の緊急銃猟は、通報から駆除まで2時間あまりを要しました。手順は順調だったのでしょうか。
「私としては非常にスムーズに感じました。札幌市の職員の方がいろんな手続きをされている姿を目の当たりにしましたが、粛々と進んでいたというのが私たちの感想。緊急銃猟の4つの要件を満たすために、フルスピードですべての手順をこなしていた。頭が下がる思いです」(ヒグマ防除隊隊長の玉木康雄さん)
「私たちハンターが現場に着いた時点で、およそ半分までは完成しているんです。通行禁止や避難誘導は、ある程度警察の方との協力を得ながら進めておけば、私たちが到着した時点で要件があらかた満たされている。そして緊急銃猟を行うことを発表した後、初めて私たちに赤い腕章が手渡されます。今回の札幌市の例は、おそらく日本全国の中でもモデルケースになるぐらい、しっかりと手順を踏んだ完璧なものだったと私は思います」(玉木さん)


















