【ヒグマに襲われた緊迫の瞬間】5秒間にらみ合いの後、左前足で男性の顔をめがけて攻撃…フンから“餌不足”の実態 「中身は草が8割…山の中に食べ物がない状況がうかがえる」〈北海道札幌市〉
サイレンが鳴り響き、あたりは緊張感に包まれています。
現場は札幌・西区の住宅街にある「平和丘陵公園」です。
300メートルほど離れたところには小学校がある場所ですが、そこで午後8時ごろ、犬の散歩をしていた40代の男性がクマに襲われたのです。
「クマに襲われ、右腕をケガしました。血も出ています」(クマに襲われた男性)
襲われた男性は自ら消防に通報しました。
男性の目の前に現れたのはトイレの影から現れた親子グマでした。
距離はわずか5メートルほど。
約5秒間、にらみ合いが続いた後、立ち上がった1頭が左前足で男性の顔をめがけて攻撃してきたのです。
男性は右腕で顔を防御。
その際に腕を負傷しました。
親グマの体長は2メートルほど、子グマは1メートルほど。
男性を襲ったのは親グマとみられています。
警察によりますと、男性は「クマはその後も何回か襲ってきた」「(だから)クマを蹴った気がする」と話していたといいます。
男性が助けを求める声を聞いた住民は―。
「助けてくださいみたいな男性の声が聞こえた。動物が2頭(斜面を)上がっていくのが見えた」(付近住民)
また、威嚇するような声を聞いたという住民も。
「獣の雄たけびみたいな。なんか威嚇するようなすごいこわい声というか、なんか低い、聞いたことのない声」(付近住民)
「ガサガサとそしゃく音がしたら(クマが)上にいるかもしれない。住宅街があることを考えてほしい。バックレストがない方向には撃たない。自分の足をかじられても我慢して」(ハンター)
「ハンターが山に入っていきました。これからクマの捜索が始まります」(中村真也記者)
27日、ハンターや警察官らが調査を開始。
痕跡は見当たらず駆除には至りませんでした。
「(きょうの捜索で)明確な痕跡はなかった」(札幌市 環境共生担当課 坂田一人課長)