【ブリ不漁】函館の海で何が?スルメイカに代わる”期待の星”ブリの水揚げ減少で値上げの懸念も_専門家は「黒潮の流れが大きく変わった」10月14日からは1日50トン以上の水揚げ 回復傾向か<北海道>
北海道・函館市では不漁が続くスルメイカに代わって、近年取れるようになったブリを新たな名物にしようと取り組んできました。
しかし2025年は一転、このブリが不漁となる事態に。
漁業関係者は海の異変に翻弄されています。
船に揚がったのは主にインド太平洋の温帯や熱帯に生息するマンタ。
そしてジンベエザメです。
どれも函館近海で見られることはありませんでした。
ブリもかつては函館で水揚げされることがなかった魚です。
2005年にはブリと同じ魚でサイズが小さい「ハマチ」が約50トン、網にかかっていましたが、2010年代からブリが取れ始め、2024年はブリの水揚げが2800トンほどに達しました。
ブリが豊漁の一方で、函館名物のスルメイカは10年ほど前から不漁が続いています。
スルメイカが取れないことで函館では危機感が広がり、ブリを新たな名物として売り出そうとさまざまな商品開発が行われてきました。
「例えば朝市の中にブリラーメンの店が出店したり、学校給食の中にブリのタレカツバーガーが提供されたり、料理教室をやったり」
「ブリの知名度とおいしさを消費拡大に向けた動きをしていった」(函館市農林水産部市場・販路担当 佐々木光明課長)
ところがブリが網に入る時期を迎えても、2025年は様子が違います。
10月10日には重さが10キロクラスの大きなものもいくつか見られましたが…
「全然少ない。きょうはブリの水揚げは1.5トンくらい。今年はちょっと少ない。走りがあんまり良くない。これからだと思う」(イジルシ佐藤漁業 佐藤伴篤さん)
この日、18本のブリを競り落とした卸売業者は不安を募らせていました。
「『秋の主力商品はブリ』でだんだん定着していたのは事実です。僕が扱っている量でいったら(去年の)1/10以下ですね。小ぶりの魚体が多い」(小西鮮魚店 小西一人さん)
函館市の卸売市場で4月から9月までに扱ったブリは約579トン。
2024年の同じ時期と比べて半分にも届きません。