北海道初の“線状降水帯”被害が長引く「子牛がぬれて風邪を」橋が崩れ復旧の見通し立たず…もし札幌で発生し豊平川が決壊したら…ススキノや札幌駅前も冠水 地下歩行空間が浸水 対策グッズは
「釧路市音別地区を流れる直別川の付近では、いたる所で木が倒れています。そして、流されたのか牧草ロールが3つほど残されています」(沼田 海征 記者)
9月21日未明、北海道で初めて釧路地方と十勝地方に線状降水帯が発生しました。
“線状降水帯”発生で各地に残る大雨の爪痕
こちらの酪農家では牛舎が泥水につかり、一時搾乳機が使用できなくなりました。
「出ようと思ったら、水がこのくらい。この辺りも水だらけで子牛が流されるのではないかと。61歳だが初めて」(被害にあった酪農家)
たまった土砂を掻き出し、どうにか搾乳を再開できましたが、牛への影響が大きく搾乳量が以前のように戻るか心配しています。
「乳牛がストレスで餌をあまり食べられない。子牛もぬれて風邪をひき下痢している」(被害にあった酪農家)
隣町の十勝地方の浦幌町でも大きな被害が出ています。
厚内川にかかる長さ約56メートルの厚内橋では橋脚の一部が崩れ、橋は大きくゆがんでいます。
浦幌町によりますと、流木が橋にあたり変形したとみられています。
復旧の見通しはたっていません。
復旧は少なくとも来週いっぱいかかる見通しで、23日から帯広駅と釧路駅を結ぶ代行バスが運行されています。
いつ起こるかもしれない水害に備える―
北海道東部で発生した線状降水帯。
気象条件によっては、札幌市で発生してもおかしくありませんでした。
豪雨により豊平川が決壊した場合のシミュレーションによると、水はススキノ交差点やJR札幌駅前にも到達。
地下歩行空間にも流れ込み、浸水すると考えられています。
いつ起こるかもしれない水害に備え、札幌市北区のホームセンター「ジョイフルエーケー屯田店」では浸水対策グッズが用意されています。
一般的な土のうの他に、こんなものも。
「最近では水につけると膨らんで土のうになる商品もある。中に吸水性のポリマーが入っていて、3分くらいで膨らむ」(ジョイフルエーケー屯田店 新酒 英暁 副店長)
平常時はコンパクトに保管することができ、いざという時に水につけると約20キロの重さになり土のうとして使えます。
また、連結させて浸水を防ぐ止水板も有効です。
日ごろから万が一に備え、準備を怠りなく。