釧路湿原周辺で続くメガソーラー建設に歯止めはかかるか 釧路市が条例案を市議会に提出…設置を許可制に タンチョウなどの生息調査や保全計画の作成を義務づけ…専門家は“抜け道”を危惧
釧路市の鶴間秀典市長は、
「特別天然記念物タンチョウなどの減失・毀損等におよぶ可能性が危惧されるという、過去に例を見ない事案が発生したことは誠に遺憾」(釧路市 鶴間 秀典 市長)
釧路市教育委員会は工事現場付近に生息する希少生物への影響調査が不十分だとして、事業者に再調査を求めました。
事業者側はUHBの取材に対し「順を追って言われたことに対して適切な対応を行っている。釧路市の担当からは受理してもらっている」として、工事を続ける考えを明らかにしました。
止まらない釧路湿原周辺でのメガソーラー建設。
釧路市は無秩序な開発に歯止めをかけようと、出力10kW以上のメガソーラーの設置を許可制とする条例案を提出しました。
条例案では、タンチョウなど5つの希少生物が生息している可能性が高い区域では事業者に生息調査や保全計画の作成を義務づけ、従わなければ建設を許可しないとしています。
「この条例をしっかり通して、皆さんと一緒に釧路湿原の自然、釧路全体の自然も含め守っていきたいと思っています」(釧路市 鶴間市長)
メガソーラー建設の許可制は有効なのでしょうか。
提出された条例案について、環境保全に詳しい専門家は、
「出力10kW未満は対象外となると、10kW未満の施設をつなぐということが全国で多く行われている。1か所では9.99kWだが、隣にも似た名前の太陽光発電所があって、こちらも9.99kW。全てあわせると100kWを超える大きい発電所になっている可能性がある」(山梨大学 鈴木猛康名誉教授)
抜け道につながる可能性があるとして、出力で制限しない方がいいと指摘します。
建設に歯止めはかかるのか、今後の動きが注目されます。