国立公園の“釧路湿原”周辺でメガソーラー建設 釧路市教委が国に意見書を提出…特別天然記念物「タンチョウ」に影響 事業者の環境調査が不十分…国が市教委を支持「釧路市の意見の通り」
釧路湿原の周辺で進められているメガソーラーの建設を巡り、釧路市教育委員会がタンチョウなどの生育に影響があるとして国に意見書を提出しました。
国は市教委の方針を支持しました。
「メガソーラーの予定地です。ショベルカーやトラックなどが稼働し、工事が進められています」(沼田海征記者)
メガソーラーの建設が行われているのは、北海道釧路市北斗の釧路湿原周辺の民有地です。
2024年7月、大阪市の事業者が釧路市が定めたガイドラインに基づき届け出をした上で工事を進めていました。
約4.2ヘクタールの土地に約6600枚のソーラーパネルを設置する計画です。
しかし、付近には国の特別天然記念物「タンチョウ」のほか、「オジロワシ」などが生息しています。
「こういった太陽光発電をそろそろ止めなければ、自然が本当に狭まっていく」(釧路市 鶴間秀典市長)
釧路市教育委員会は事業者が十分な環境調査をせず着工したとして、文化庁に意見書を提出。
事業者に対し、専門家の意見を聴くなどして天然記念物への影響確認を求めるべきだとしています。
この意見書に対し、阿部俊子文部科学大臣は…。
「釧路市の意見の通り、影響の確認を求めることは適当である。開発が天然記念物の滅失や毀損につながることのないように、釧路市教育委員会において適切に指導してもらいたい」(阿部俊子文科相)
調査の結果、天然記念物に影響があると認められた場合は原状復帰を求める可能性もあるとしています。