「致死率は10~30%」北海道で初確認…マダニにかまれて感染する『重症熱性血小板減少症候群』(SFTS)―道と札幌市の保健所が発表「主に西日本で報告されているが最近は関東でも」
北海道と札幌市は8月7日、マダニにかまれて感染する「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)の患者が確認されたと発表しました。北海道での発生届は初めてです。
札幌市によりますと、感染が確認されたのは、道央圏在住の60代男性。7月下旬にマダニに肩をかまれたことに気づいて除去したあと、7月30日に発熱や頭痛、筋肉痛などの症状を発症しました。
8月2日に医療機関を受診し、その後転院して入院。4日に血液検査の結果から、医師がSFTSを疑い、札幌市保健所に連絡しました。
6日、札幌市衛生研究所での検査の結果、SFTSウイルス陽性と判明し、医療機関が発生届を提出しました。
男性はいまも入院中ですが、回復傾向です。
SFTSとは
SFTSは主にSFTSウイルスを保有するマダニにかまれることで感染します。潜伏期間は6日~2週間程度で、発熱や嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血、頭痛、筋肉痛などの症状が現れます。
血液検査では血小板減少、白血球減少、血清酵素の上昇が認められ、致死率は10~30パーセント程度とされています。従来は主に西日本で患者が報告されていましたが、最近では関東地域でも患者発生が認められています。北海道では今回が初の確認例です。
全国の発生状況
全国のSFTS患者数は以下の通り。
2021年:111人
2022年:116人
2023年:134人
2024年:120人
2025年:120人(7月27日までの速報値)