【泊原発再稼働へ一歩】“全国一高い電気料金”どうなる?「できるだけ早い時期に」北電は下げ幅検討中…「劇的に何割もはないのでは」安全対策の費用指摘の声も_国が地元4町村と知事へ『同意』求める〈北海道〉
また知事のもとには夕方に、資源エネルギー庁の長官が訪れ、同意を求めました。
知事は議会の議論などを経て判断したいと応じました。
北電はこれまで再稼働すれば、電気料金を値下げするとして理解を求めてきました。
「料金の値下げ幅について検討していて、年内をめどに、できるだけ早い時期に説明したい」(北海道電力 斎藤晋社長の7月31日の会見より)
値下げされることを札幌市民は…。
「電気を安く作れるし(再稼働は)いいんじゃないか」
「(再稼働して)いいと思う。(電気料金が)安くなるんだったら」(いずれも札幌市民)
しかし北電は値下げ幅については、いまだ明言していません。
再稼働で、どれくらい電気料金は下がるのか。
2017年までの関西電力高浜原発3・4号機では一般家庭用プランでの値下げ率は2.7%で189円。
大幅な値下げにはつながっていません。
専門家は…。
「追加で安全対策費用がかかったり北電の場合は防潮堤を作ったりするので、劇的に何割も下がるということはないのではないかと思う。北電は『安くなる』というのであれば当然『いくら安くなる』とはっきり言うべき」(龍谷大学政策学部 大島堅一教授)
原子力規制委員会は、防潮堤の建設や電源車を配置するなどした北電の地震や津波などへの安全対策が新規制基準に適合していると決定しました。
一方で、いまだ不安の声も上がります。
「動くんだったら、ちゃんと安全確保してほしい」(泊村の住民)
「安全面を考慮していただきたい。私はどちらかというと反対派」(札幌市民)
「電気を使っているから必要だということはわかるがどうなるのかな。不安しかない」(札幌市民)
札幌の介護事業所を経営する中手聖一さんです。
福島第一原発事故で福島市から自主避難してきました。
中手さんは原発で大きな事故が起きれば取り返しのつかないことになると再稼働に反対します。
「泊原発が再稼働することになれば、(福島第一原発事故の)あの時のことをいつも心に不安を抱えながら生きることになる。原子力災害と避難の経験から、(原発は)釣り合うものではないと道民にも知ってほしい」(福島市から自主避難 中手聖一さん)
再稼働に向け動きが本格化する中、周辺自治体や知事の判断が注目されます。