コメ価格高騰で収穫前の新米を「青田買い」JA買い上げ1俵2万5000円に対し4万円の提示も 備蓄米流通で鎮静化へ…生産者は不安も「備蓄米が2000円なのは致し方ないが、新米が2000円なら農家は泣く」
「青田買い」の動きがあった3月は、農林水産省の調査でコメの店頭価格が初めて5kg4000円を超えました。
江藤前農水相が政府備蓄米の入札による放出も始めましたが、値上がりが続き消費者は。
「思ったほど下がらない」
「前ほどではなくても、買いやすい値段になってほしい」(いずれも消費者)
「青田買い」の動きは、コメの枯渇感がピークに達したころと重なります。
備蓄米の効果で「青田買い」は鎮静化へ
しかし、その後は。
「種まきを始める前くらいが多かった。4月ごろから減ってきた感じがする」(川添さん)
備蓄米の放出が続いた4月ごろから問い合わせが減り始め、最近は全くなくなったというのです。
「青田買い」の動きが鈍くなった理由について、コメ流通の専門家は。
「備蓄米の放出などで不足感がやわらぎ、流通するコメが増えた。今年収穫するコメを急いで確保しなくてもいい状況になったと、業者が判断したのではないかと考えられる。今年のコメがいま以上に値上がりするということは、作況がそれほど悪くなければ考えにくい」(酪農学園大学 相原晴伴教授)
農家にとっては今後の値動きに不安も―
コメの価格が落ち着きを見せようとしている一方で、川添さんは今後の値動きに不安を感じています。
「規模拡大や新しい事業を始めるにあたり、多額の金を使っている。その見通しが、価格の乱高下によって計画が立てられなくなる。安定的な値段であればいいが、急激に下がることがあれば怖い」(川添さん)
コメ作りにかかるさまざまな費用が値上がりしている中、以前のような価格ではとてもやっていけないといいます。
「備蓄米が2000円なのは致し方ない。新米が例えば2000円で流通したら価格が暴落し農家は泣いている」(川添さん)
適正な店頭価格を聞いてみると。
「5kgで3500円くらい」(川添さん)
生産者と消費者の間には、コメの価格を巡ってギャップがありそうです。