【2034年まで保存義務があったのに…】札幌市の中学校で“776人分の指導要録”を誤って廃棄…通常は必要な"ダブルチェック"行われず1人で作業〈札幌市教育委員会〉
札幌市教育委員会は5月22日、札幌市東区の市立丘珠中学校で卒業生776人分の個人情報が記載された指導要録が誤って廃棄されていたと発表しました。
指導要録は法令で20年間の保存が義務付けられている文書で、本来は最長で2034年まで保存すべきところ、2025年3月に処分されていたということです。
廃棄されたのは、2005年度から2013年度に卒業した生徒の指導要録で、ファイル9冊分にのぼります。本来は2003年度卒業生分のみを廃棄する予定でしたが、他の年度の文書が紛れていたことに気づかず、職員が3月31日にダンボール箱に入れて回収業者に引き渡し、処分されました。
文書には、生徒の氏名や生年月日、住所や進学先などの個人情報が記載されていたということです。
ミスが判明したのは4月21日。職員が文書の確認を行っていると、指導要録のファイルが見つからず、市教委とともに調査を実施。その結果、3月末に書類を整理した時に誤って廃棄した可能性が高いことがわかりました。
整理は職員1人で行っていて、管理職による監督やダブルチェックも行われていませんでした。また、保存期間がわかるようなラベルが貼られてなく、管理体制が適切でなかったとしています。
教育委員会は今後、廃棄作業は複数人で行うなどダブルチェックを徹底するとしています。