【ススキノ首切断事件】娘の犯行を手助けした母親に懲役1年2か月・執行猶予3年の有罪判決…裁判長の「今後、母として正しい接し方をしてあげてください」という言葉に小さくうなずく被告
札幌市中央区の繁華街「ススキノ」で男性が殺害され、親子3人が逮捕・起訴された事件。
【裁判のポイント】「ススキノ首切断の裁判」浩子被告に求刑1年6か月
札幌地裁は娘の犯行を手助けした罪に問われている母親に、執行猶予がついた有罪判決を言い渡しました。
裁判長の「主文、被告人を懲役1年2か月、3年間の執行猶予に処する」という言葉に、田村浩子被告は特に声を発することなく前を見つめていました。
2023年7月、札幌市「ススキノ」のホテルで頭部を切断された男性の遺体が見つかり、親子3人が逮捕・起訴された事件。
母親の浩子被告は死体遺棄と損壊のほう助の罪に問われていました。
娘の瑠奈被告が持ち帰った頭部を、自宅に隠すのを容認したとされる死体遺棄ほう助。浩子被告は裁判で「頭部の存在を気づいたのは、家に持ち込まれたあと。とがめることができませんでした」と述べていました。
また、瑠奈被告から頭部を損壊する様子を撮影したいと求められ、父親の修被告に撮影を依頼したという死体損壊ほう助については「助けを求める気持ちで夫に依頼しましたが、犯罪を助ける気持ちは一切なかった」と述べています。
検察側は「瑠奈被告による被害者への殺害計画を知っていた。頭部を持ってきたことを認識していた。そして以後、容認した」などとして懲役1年6か月を求刑。
一方、弁護側は「遺棄を容認できる立場ではなく、許可もしていないし、許可を求められたこともない」などと無罪を主張していました。
「母親の浩子被告の判決の傍聴券を求める人が、続々と札幌地裁に入っていきます」(吉村 直人 記者)
5月7日に行われた裁判では、浩子被告に懲役1年2か月、執行猶予3年の有罪判決が言い渡されました。
頭部を隠す場所が必要な瑠奈被告に家族の共用部分を占有させたことは物理的にも心理的にも容認したなどとして、死体遺棄ほう助が成立するなどとしました。
この事件をめぐる裁判では札幌地裁が2025年3月、父親の修被告に懲役1年4か月、執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。
その後、検察・弁護側の双方が控訴しています。
娘の瑠奈被告は精神鑑定中で、裁判の見通しは立っていません。