【パブコメ開始】"事実上の合格"北海道電力・泊原発3号機の安全対策-原子力規制庁が「科学的・技術的意見」を公募-5月31日午前0時までー2027年再稼働に向け新たな動き
4月30日、東京で開かれた原子力規制委員会の定例会合で、自然災害などへの安全対策が事実上の合格とされた北海道電力の泊原子力発電所3号機の「審査書案」について、5月1日からパブリックコメント(意見公募)が始まりました。
北海道後志地方の泊村にある北電の泊原発は、1989年に1号機、1991年に2号機、2009年に3号機が運転を開始していました。2011年3月の東日本大震災による東京電力・福島第一原発事故の発生後、2012年5月までに全3基が停止しました。
北電は2013年7月、再稼働に向けた安全審査を原子力規制委に申請しましたが、泊原発敷地内にある断層が活断層ではないことの説明や想定する津波の高さの変更、防潮堤の造り直しなどで審査が長期化。11年以上経った2024年12月に一通り説明が終了し、2025年4月30日、原子力規制委が地震や津波などへの安全対策に関する審査書案を了承したことで、事実上の合格となりました。
原子力規制委の事務局を務める原子力規制庁は5月1日、この審査書案について、一般の人から断層の評価や事故対応手順など、様々な科学的・技術的意見を集約する目的でパブリックコメント(意見公募)を開始しました。
資料は原子力規制委のホームページで入手でき、期限は5月31日午前0時まで。電子政府の総合窓口(e-Gov)の意見提出フォームか、郵送で意見を受け付けています。
担当者によりますと、集まった意見は科学的・技術的観点から精査した上で回答を準備し、原子力規制委に諮った後、公開される予定です。
<問い合わせ先>
原子力規制庁原子力規制部審査グループ実用炉審査部門(電話03-5114-2111)
泊原発3号機の安全対策は、この意見公募を経て、今夏にも正式合格となる見通しですが、その後は原子炉の詳細設計に関する「工事計画認可」と、運転管理の体制などに関する「保安規定認可」の2つの審査があります。
並行して「地元同意」も必要で、鈴木直道知事の判断も焦点となっていて、北電が目指す”泊原発3号機の2027年早期の再稼働”は、これらのハードルを乗り越える必要があります。