点検中の“泊原発”を2030年代前半までに3基すべて再稼働へ 北海道電力が方針発表…発電量の6~7割を原子力が占める見通しに 電気料金を値下げへ…専門家はそれ以外の負担も指摘
北海道電力は泊原子力発電所を2030年代前半までに、3基すべて再稼働させる方針を示しました。
これにより、発電量の6割から7割を原子力が占める見通しです。
泊原発 再稼働目指す方針
北海道電力は3月26日、泊原発1号機と2号機について2030年代前半の再稼働を目指す方針を示しました。
2024年に原子力規制委員会の審査が事実上終わった3号機は、2027年のできるだけ早い時期に稼働させるとしています。
3月23日、鈴木直道北海道知事は泊原発を初めて視察。
原子力規制委員会の審査に合格すれば、その後の再稼働には知事の同意が必要ですが、現段階で明言を避けました。
「原子力規制委員会での審査は継続している状況なので、予断を持って申し上げる状況にない」(鈴木 直道 北海道知事)
再稼働後は「適正な水準で電気料金を値下げする」としています。
その具体的な金額については、2025年中に発表したいとしています。
「稼働した方がいいと思う。自宅が『オール電化』で相当家計に響くと思うので」
「原発を阻止したいと思うが、電気代は自分にかかってくるから何とも言えない」(いずれも札幌市民)
電気料金安く― しかしそれ以外の負担も
原発の再稼働により電気料金を下げるという北海道電力の方針。
専門家は、それ以外の国民の負担があると指摘します。
「仮に電気料金が下がるとしても、事故が起きればさらに大変な金がかかる。交付金の形で地元自治体に金が出ていたり、使用済み燃料の再処理などに税金も使われている」(NPO法人 原子力資料情報室 西尾 漠 共同代表)
泊原発が全て再稼働することで、北電グループの発電量の6~7割を原子力が占める見通しとなります。