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【負債総額は約7億3728万円】北海道・十勝川温泉エリアの老舗ホテルの旧運営会社「太平洋管財」が特別清算…コロナ禍で客数減少などが影響―ホテル自体は別の会社が運営し売上高6億1259万円に回復

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釧路地裁帯広支部(資料)

釧路地裁帯広支部(資料)

 美肌効果が高いとされるモール温泉で有名な北海道の十勝川温泉エリアで観光ホテルを経営していた「太平洋管財」(帯広市)が、2025年2月19日に釧路地裁帯広支部から特別清算開始の命令を受けていたことがわかりました。負債総額は約7億3728万円だということです。


 民間信用調査会社の帝国データバンクによりますと、1926年に創業した同社は、十勝川温泉エリアで老舗の「笹井ホテル」を長年経営していました。通常の宿泊プランに加え、演劇を鑑賞できる宿泊・日帰りプランや、十勝管内へのビジネス客向けプランに力を入れ、1992年4月期には年売上高16億4100万円を計上しました。

 しかし、設備投資に伴う借入負担が重く、客数の減少が続いたことが響き、2019年の年売上高は約4億6100万円に減少。赤字が散発していました。役員報酬を減らし、金融機関への借入金の返済猶予を要請するなど経営改善を進めていましたが、ほかの宿泊施設との競争が厳しく、業績は低迷。2020年以降は新型コロナ禍で宿泊や宴会需要が激減し、収入が伸び悩んでいました。そうした中で再建策として2021年、スポンサーに設立された会社「SH」に温泉と旅館の運営事業の権利を承継しました。

 同社は2022年に株主総会決議で解散し、2025年2月14日に釧路地裁帯広支部に特別清算を申し立て、同19日に特別清算開始の命令を受けました。

 また、東京商工リサーチによりますと、SHはのちに商号を「笹井ホテル」に変更。大規模リニューアル工事を行うなどして、現在も同ホテルの運営を続けており、2024年4月期の年売上高は6億1259万円に回復しています。


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