週間番組表

MENU CLOSE
検索

「もう日本の町じゃない」成長続ける”世界のニセコ”―時給高騰し人集められず…閉鎖する介護事業所も

社会 道内経済 友だち追加

交通事故の4割外国人 日々の生活に不安

夜も外国人でにぎわうひらふ地区

夜も外国人でにぎわうひらふ地区

 北海道警倶知安署によると、ニセコ地域で昨冬に起きた交通事故は前年同月比133件増の1024件。そのうち45%を外国人が占めた。大半は冬道に不慣れな人の操作ミスが原因だが、地元住民にとっては不安の種だ。


 「交差点で一時停止しない。スピードを出して走っている」「気を付けないと。対向車線を走っている外国人がいるので」(いずれも地元住民)

 日本の法律を確認せず、自国のルールや価値観で車を運転することもある。

 1月13日未明、ひらふ地区で、オーストラリア国籍の男(31)が酒気帯び運転の現行犯で逮捕された。

 警察の調べに男は「自国のルールでは少しアルコールが残っていても大丈夫なので、日本でもいいと思った」などと供述した。

スキーヤーの連絡手段? 不法電波で飛び交う外国語

パウダースノーを求めてやってきたスキーヤーら

パウダースノーを求めてやってきたスキーヤーら

 法令違反は道交法にとどまらない。違法な周波数で無線を使用するケースも多い。総務省の出先機関、北海道総合通信局によると、1月の調査で確認された121回の不法電波の交信のうち、114回は外国語だった。


 バックカントリーが盛んなニセコでは、外国人のスキーヤーらが仲間と連絡を取るために無線を使っているという。

 「パトカーや消防、航空機の通信が妨害され、人命に危険を及ぼす可能性がある」(北海道総合通信局)

 悪意はないとみられるが、明らかな違法行為だ。

物価高で「普通の生活」さらに困難に 識者の懸念

倶知安町駅で行われている北海道新幹線の延伸に向けた工事

倶知安町駅で行われている北海道新幹線の延伸に向けた工事

 倶知安町の人口は1万7000人。外国人が20%以上を占める。


 ニセコ人気の先行きは――。北海道の不動産に詳しいアナリスト、志田真郷さんは今後も投資が進むと分析。物価の上振れで、家賃の高騰し新たな施設が建設しづらくなる。地域住民が生活しづらい状態は加速するとみている。

 「ニセコは海外の所得水準に合わせて上振れしている。住宅地の価格も上がっていて、通常の住宅地や商業施設、介護施設が成立する水準ではなくなってきている。生活の利便性も下がっていくだろう」

夜も外国人観光客でにぎわう

夜も外国人観光客でにぎわう

 オーストラリア人がニセコに投資し始めてから20年がたつ。ニセコはアイヌ語で「切り立った崖」の意。隔絶された豪雪地帯から世界の富裕層を魅了する高級リゾートとなった。


 北海道新幹線が延伸されると、札幌との移動は2時間超から25分に短縮される。インバウンドの流入や投資は止まる気配はない。



  • みんテレ
  • 北海道チャンネル