「ご近所さんはいなくなった」富良野市で増える外国人…トラブルもあとを絶たず“オーバーツーリズム”におびえる住民
減りゆく「元々いたご近所さん」 街の変化に住民は動揺
「昔は40近くいた町内会の加入者はいまや5軒ほど。みんな売り払ってほぼいなくなった。もともといた人たちがいなくなるのは寂しい」(北の峰地区の自営業、大橋修一さん)
「こぢんまりした水車などが失われていった。おしゃれな建物はいっぱい建つけど昔の方が好き」(北の峰地区の住民)
マチの変貌に住民たちの気持ちは揺れている。
編集後記
倉本聰さん脚本のドラマ「北の国から」の舞台となった富良野。北海道らしい雄大な自然風景や心温まる田舎をイメージする人は多いだろう。
いまは変貌を遂げた。北の峰地区はニセコと変わらない。スキー場は外国人だらけで、マチの看板は外国語であふれている。
築40年、年季が入った一般住宅にしか見えない、2階建て一軒家の販売価格は1億円前後。密着取材した韓国人の投資家も購入に前向きな様子だった。
不動産会社の石井さんによると、内覧をせずに物件を契約する中国人も少なくないという。「バブル」。この言葉がぴったりの状況だ。
夏はラベンダー、冬はパウダースノー。たしかに年間を通して集客が見込め、将来性を感じる。一方で、北の峰地区に40近くいた町内会員がいまや5軒ほどに。「寂しい」「昔の方がよかった」という住民の言葉も忘れられない。
「ニセコ以上の可能性を秘めた富良野」。わたしたちはそこに何を期待するべきなのだろうか。
※この記事は北海道ニュースUHBとYahoo!ニュースとの共同連携企画です。オーバーツーリズムの危機に直面する北海道観光の現状を追いました。