「ご近所さんはいなくなった」富良野市で増える外国人…トラブルもあとを絶たず“オーバーツーリズム”におびえる住民
7年ほど前から注目し、富良野エリアに計20万坪の土地や物件を所有する石井さんは「ポテンシャル(可能性)はニセコ以上」と高く評価する。
「第1に旭川空港から車で50分、新千歳空港から2時間の好立地。東京からの日帰りが可能だ。夏はラベンダー、冬はウインタースポーツと通年の集客が見込める。そして、北海道第2の都市、旭川から近いので人材が集めやすい」
⑥まるでバブル…A5ランクの『ふらの牛』売れ連日満席
北の峰地区には「FOR SALE」の看板が立ち並び、外国語の表記であふれている。レストランは連日、外国人を中心に大にぎわい。まるでバブルだ。
スキー場から徒歩5分のステーキ店「エルアサドール」は12月中旬から3月末にかけ、常に予約で満席。「300グラム7800円、A5ランクの『ふらの牛』のステーキは毎日5皿以上注文される」。店主は満面の笑みだ。
ダイニングバー「AJITO」も平日にも関わらず、午後5時の開店から1時間も経たないうちに全40席がほぼ外国人で満席に。「毎日100人ほど来店する」(オーナーの新居丈幸さん)。コロナ禍のつめあとは一切見られない。
ゴミ分別守らない外国人 片付けるのは住民たち
10年前、2万3000人いた人口は、今では1万9000人に減ったが、外国人は120人から5倍の630人と増えるばかりだ。
外国人が増えたことで、住民との摩擦が目立つようになった。富良野市ではごみは14種類に分けて出すことが決められている。北の峰地区では、分別されていないごみが回収されず、たびたび放置されている。後始末は町内会のボランティア。住民たちは「ルールを守らない外国人が多い」と口をそろえる。
「放っておくとカラスがつついて散らかす。町内会の当番や気づいた人が片付けている」(北の峰地区の住民)
ゲレンデから宿泊先まで、スキーやスノーボードで車道を滑り、移動する外国人もいる。車や子どもにぶつかることも。北の峰地区の自営業、大橋修一さん(48)は「歩くのが面倒くさいのは分かるけど危ない。ルールだけは守ってほしい」と訴える。