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<裁判詳報>「てめえの上司呼べや!」法廷で声を荒らげる場面や質問と"かみ合わない"やり取りも【スナック経営女性殺害事件】「よく覚えていない」「記憶にない」繰り返す被告の男に懲役22年求刑 釧路地裁

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殺害された延本真弓さん

殺害された延本真弓さん

 11日の公判では延本さんの長女と長男が参加し、長女は「こんな風に突然会えなくなるなら、もっとたくさん帰省して子どもたちに会わせていろんなところに連れて行ってたくさん思い出を作っておけばよかった。今すごく母に会いたいです」と語りました。


 また長男は「供述調書と被告人質問とのギャップがありすぎます。誠実さのかけらもありません。突然『お母さんが亡くなりました』と骨を見せられても信じられるわけがありません。被告人は明確な殺意を持って母を殺しました、その報いを受けなければなりません」と2人とも涙ながらに悔しさを滲ませました。

 このほか、志渡被告は延本さんの財布からクレジットカードなどを抜き出し、帯広市内のドラッグストアで薬などを購入していて、窃盗や詐欺などの罪にも問われています。

 志渡被告の判決は、12月13日に言い渡される予定です。

■冒頭陳述

・犯行の事実関係に争いはなく、争点は量刑
 犯行様態は悪質で動機も身勝手(検察側)
・公訴事実に争いはなく、刑の重さを決めるための裁判
 被告人の話からでしか分からないことや他の証拠などから判断してほしい(弁護側)

■2人の関係性
・15年ほど前から志渡被告が延本さんが経営するスナックに通い始める、店を手伝うことも
・志渡被告は本州への出稼ぎで足寄町から離れるも2022年12月から実家に戻る、志渡被告は無職に
・志渡被告と延本さんら複数人で旅行に行ったことも
・7?8年前に志渡被告が延本さんに告白するも延本さんに交際する気はなかった
・事件当時延本さんには交際者がいて、交際者は延本さんの自宅で同居
・2023年5月ごろから志渡被告が金銭で困窮し延本さんのスナックに通わなくなる

■殺害について
・延本さんは夜型の生活のため昼は寝ていることが多い
・昼ごろに延本さんの自宅の無施錠の玄関から上がりこむ
・2階の寝室に向かう。理由について志渡被告は「車を借りるため」
・寝ている延本さんを起こす。「帯広のハローワークに行くのに車を貸してほしいと言った」
・やり取りの中で燃料代の話になる。志渡被告さ「本州に行くと言ったら(延本さんが)豹変してハンマーを持ってきた」と証言
・延本さんが枕元にあった護身用のハンマーを持って「嫌だ」と言った
・ハンマーが志渡被告の頭に当たる「『痛い、ごめんなさいは?』と言ったが真弓は謝らなかった」
・志渡被告が馬乗りになりハンマーを取り上げ延本さんをハンマーで殴ったり鼻や口を手で押さえたりする。ハンマーを延本さんが取り出した経緯、犯行の動機や殴った回数など事件の核心については「記憶にない」「よく覚えていない」と繰り返す
・延本さんの遺体は見つからず、捜索の結果延本さんの自宅から約35キロ離れた足寄町内の山林近くの氷が張った川の下から延本さんの左足の骨と爪が見つかったのみ