“総延長100キロ”ヒグマ侵入を防ぐ「電気柵の長城」構想―住宅街に出没し4人負傷…3年たち模索し始めた“すみ分け”
編集後記
3年前、札幌市東区でヒグマが出没したとき、わたしや取材クルー、警察官、ハンターなどその場にいた人たちはヒグマの姿を見失っていた。現場の緊張感は薄れ、市の職員も非常線を解こうか話し合っていたという。
だが、状況は一変する。やぶからヒグマが駆けだした。わたしは死角で見えなかったが、ハンターが振り向き発砲したので、わかった。わずか20メートル先。目と鼻の先だ。中継では何とか取りつくろった。でも油断した後悔と襲われずにすんだ安どが交錯し、頭の中がもうグチャグチャだった。正直に言うと怖かった。すべてが私の想像を超えていた。
2023年流行語大賞のトップ10に「アーバンベア」が入った。全国的にクマは人の生活圏に近づいており、すみ分けは容易ではない。コストもかかる。あらためて共生をどう実現するか、議論を重ねるべきではないだろうか。
※この記事は北海道ニュースUHBとYahoo!ニュースとの共同連携企画です。人とクマのすみ分けを模索し、共生の道を探りました。