生徒の「夢」と可能性を信じる…札幌の特別支援学校の挑戦 "月100社訪問"教師が企業に出向きマッチング支援 『職業ゼミ』で就職した卒業生と生徒が対話 増える障害者雇用「やりがい」追求
教員自ら会社に出向き“生徒の就職先の可能性”探る
向かったのは学校の黒板などを製造する会社。ふたりはさまざまな業種の企業に出向いてまわり、生徒たちの就職の可能性を探っています。
「3年生にあがったら4週間と4週間。4週間ぜひ力試しでで(実習させてほしい)」(佐々木先生)
「こればっかりはタイミングになるのでね。うちもそれこそ毎年新入社員を取るほどの規模の会社じゃないので」(社長)
ふたりがやり取りする企業の数は、多い時で月に100社を超えます。
2017年に誕生したみなみの杜高等支援学校は、軽度の知的障害がある生徒約170人が通う学校です。特に職業教育に力を入れていて、農業や調理、接客などを学んでいます。
生徒との何気ない日常会話もヒントに
学校が大切にしているのは生徒の夢を応援すること。普段の会話も将来の仕事を考えるヒントになります。
「8月1日に『インサイドヘッド2』を見に行こうかなと思ってて」(生徒)
「映画すきなの?映画館とかで働いたらいいんじゃない?」(先生)
「ありかもしれないです。真面目にありかもしれない」(生徒)
「わたし接客を前からやりたいと思ってて。飲食店とか、そういう所の」(生徒)
「(名刺が)いっぱいになっちゃいましたね。はちきれそうでですね。足してるんですけど…」(佐々木先生)
佐々木先生がこれまでにやり取りした企業は1000社以上。生徒の夢を応援するため、新しい企業との出会いを大切にしています。
「生徒の就職につながるかもしれないっていう想いもありながら、私たちの視野を広げるっていうところもひとつあって。『こんな世界あるよ』って。『チャレンジしてみたい生徒いないかい』って。『あなたの良さってここにハマると思うよ』みたいに提案できるので、視野を持ってないと話できないですよね」(佐々木先生)
「職業ゼミ」就職した先輩から直接対話する生徒
「お洋服売る接客もあるし。こんな接客だったあるし、こんな接客だってあるしって一杯提案できるよね。そのうちのどれがやりたいのって」(高杉先生)
今年始まった「職業ゼミ」の授業では、企業から直接学ぶ機会を大切にしています。
石屋製菓では卒業生から話を聞くこともできました。
「先輩って最初はどういうところで働きたいとか」(生徒)
「一回はパン店じゃなくて違う場所もいいかなとは話したんですけど。やっぱり諦められなくて、先生に思い切ってここがいいと伝えました」(卒業生)
現代の仕事に合わせて生成AIの使い方も学びました。