【追跡】令和のコメ騒動にいよいよピリオド?今では大人気の道産米も昔は"美味しくなかった"「やっかいどう米」と呼ばれた道産米はどうやって人気になった?
品種開発と「きらら397」の誕生
しかし、寒くて栽培に適していなかった北海道で作ったコメの味は。
「おいしくないから、北海道をもじった『やっかいどう米』。流通の関係者や消費者からも量はあるけどおいしくない、やっかいだと…」
「そんなこと言われていたなんて、ちょっとショックなんですけど」
おいしい北海道米を目指して品種開発やPR活動を積極的に行い、1988年には北海道米のイメージを一新した「きらら397」が誕生。
名前の由来は。
「一般公募したらでてきた結果が『きらら』だった。『上育397号』がこの品種の名称だった。ごろがいいので残して、『きらら397』になった」
2001年には冷めてもおいしい「ななつぼし」が誕生。
その2年後には、本州に近い環境の北海道南部での栽培に適した「ふっくりんこ」が誕生。
北海道米のPR活動と消費拡大
PR活動では。
「(高橋はるみ知事米チェン)」
当時の高橋はるみ知事がCMに出演。
「米チェン」をテーマに北海道米の消費拡大を呼びかけました。
2008年には北海道米を代表する「ゆめぴりか」が誕生。
その特徴は?
「コメに含まれるタンパク質含量。昔の『やっかいどう米』と言われていた北海道米は、それがすごく高くてぼそぼそしていたけど、『ゆめぴりか』はそれが低い。基準をクリアしたものだけにマークがついている。マークがついているものは、生産者お墨付き。イメージとしては夕張メロン。メロンに認定シールが張っていて、そういうイメージでコメでも」
マツコさんのCM効果で一躍有名に
農家をはじめ地域が一丸となり、続々高品質の北海道米が誕生。
さらに、人気を後押ししたのが。
「マツコさん効果も、もちろんあると思います。その年本当に『ななつぼし』が売れていなくてヒーヒー言っていたんですけど、CMでマツコさんを起用してガラッと」
一躍有名になった「ななつぼし」。
CM誕生のきっかけはひょんなことからでした。
「たまたまホクレンの当時の担当が深夜番組を見ていたらマツコさんが出ていて、たまたま『ななつぼし』を食べた時に『今まで食べたコメの中で一番うまい』とテレビで言っているのを見て、その翌日に担当がオファーした」
「すごい感謝ですよね、今となっては。すぐにオファーするという」
マツコさん効果てきめんで、「ななつぼし」は現在、全国の小売店で一番売られている品種にまで成長。
品質でも「ななつぼし」と「ゆめぴりか」は、日本穀物検定協会の食味ランキングでともに最高位の特Aを連続で獲得。
さらに…。
「北海道米をどれだけ食べているか北海道内での食べている率。平成8年(1996年)、北海道民の37パーセントしか食べていなかったのが、令和5年(2023年)では88パーセントということでずっと高い率で食べてもらっている。つい30年前では、それが当たり前じゃなかった。これは農家の方々の努力の賜物。」